この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いつ見きとてか 恋しかるらむ
第2章  『 シフォンケーキ 』


洗濯を干しながら、青空に目を細めた。

絵筆に白の絵の具をたっぷりと含ませて、スカイブルーの色画用紙に、スーっと線をひいたような……そんな空。

家にばかりこもっめばかりではなく、


たまには、外に出よう!


お気に入りの紺のワンピースに白のショートカーディガンを羽織った。
家にいるだけの生活だから、普段は基礎化粧で終わってしまうけれど、外に行くとなるとそうはいかない。

ベージュ系のアイシャドウに、マスカラ、ほお紅も薄くさす。
なんだか口紅は塗りたくなくて、落ち着いたローズ系のグロスを塗った。

出かける準備はできた。


でも、どこに出かけよう……。


ふらりと海側に散歩にでかけようか。
海岸沿いを歩きながら、富士山でも見ようか。


山側を歩くなら、お寺や神社を訪れたい。
参道の両横には、てぬぐいの店やガラスの小物が並んでいる店、手焼きせんべいに焼きたての団子やさん、そういうお店にフラフラと立ち寄りながら、神社へ向かう。
そして、心穏やかに手を合わせるのもいい。

どちらにしようかと迷ったけれど、賑やかな参道に心惹かれていたわたしは、山側に行くことにした。


電車を乗り継いでいくのは、面倒だけど、二回目に乗る電車は、魅力的だ。


住宅の壁に触れられるほど接近する箇所がある。
危ないと思わせるけれど、レールの上を正しく走る電車はまっすぐと進んでいく。
車窓から見えるのは、壁。
美しい景色ではないけれど、珍しさに心躍る。
壁が近くて、ついつい、ぶつからないかな……と心配になってしまうのは、毎回のことだ。

そしてなにより、一番のお気に入りは、見晴らしのよい場所では、海が広がるのだ。
その景色は、1枚の絵のよう。
何度も見ても、同じ表情の時はない。

冬の早朝は、清々しさを感じる。
今日はなにかいいことがありそうだと思わせてくれる。
雨降る日は、濃い鼠色の雲が垂れ下がり、小さな白波がだんだんとうねりをあげ、海の荒々しさを感じる。

どんな表情であっても、自然の美しさを感じ、ありのままの……自分を感じ、力を与えてもらえる……。

ほんの一駅間という短さも、また見たいという気持ちにさせてくれるのだと思う。

目を閉じて、今日はどんな海が見れるのかと思うと心がはやる……。


/67ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ