この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いつ見きとてか 恋しかるらむ
第2章 『 シフォンケーキ 』

少しストレッチをすることにした。
今日は、1日中、家の中。おまけに、パソコンをしていて、同じ姿勢ばかりだった。
背中を伸ばしたり、腕を伸ばしたりした。
首を回すと、ゴリゴリッと関節が音を立てた。
体がほぐれていくのが、わかる。
レタスをちぎり、冷水にさらす。
ミニトマトはへたを取って、水洗いした。
お鍋にお湯を張り、沸騰するまでの間、ストレッチを続けた。
鍋の水がふつふつと沸騰したので、レトルトを投入。
待ち遠しい……。
カレーが温まるまでの間に、カレー皿に十穀米を盛った。
レタスは水を切って、皿に盛りつけた。
ミニトマトもバランスよく盛りつける。
お気に入りのアランチャのオリーブオイルと岩塩を振りかけた。
菜箸でレトルトを取り出して、封を切った。
カレーのなんともいえないスパイスの香りが鼻腔をくすぐる。
ごはんの上にカレーをかけた。
意外と具が大きかったので、私の期待度が上がった。
サラダとカレーをテーブルに運んだ。
「いただきます。」
一人の時でも、手を合わせることは忘れない。
まずはサラダを食べ、いよいよカレー。
スプーンで大きく掬って、パクリと一口。
このご当地レトルトカレーは、濃くがなく、辛さも控えめだった。
香りと具の大きさで、期待が大きかっただけにがっかりしてしまった。
何回か口に運んでから、はたと立ち上がった。
Sachiさんからの返信がないかチェックしたかった。
わたしは、パソコンに向かって自分のブログを見た。
誰からもコメントのないままだった。
はあー。
思わず、ため息がこぼれた。
そうだよね、すぐに来るわけがない。
それに、返事をくれるかどうかもわからないのだから。
自分にそんなふうに言い聞かせながらも、心のどこかで繋がりを求めていた。
一日中、誰とも話さない時もある……。
それが当たり前だった。
それが、限定記事を読みたくて、ブログを開設した。
いつもの色褪せていた日常に、鮮やかな色が差したような気がしていた。
わたしはこのモノトーンのような日常をもっと色づけたいと思っていた。

