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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第2章  『 シフォンケーキ 』
夫の食事は作ったものの、わたしの晩ごはん……。


口の中は、なぜかカレー味。


レタスを手でちぎり、ミニトマトを盛りつけたサラダが浮かんだ。


そして、レトルトのカレー。


マッシュルームがたっぷり入ったものや、箱ごとレンジでチンするものではなく、ご当地レトルトカレーにしよう。


わたしは、災害備蓄用の食料をストックしている戸棚を見た。
お目当てのカレーを手にしながら、カップ麺が一つ消えていることに気づいた。


(柊真めっ!)


夫は、時々、こんなふうにカップ麺を盗み食いする。


仕事が忙しくて、昼抜きになることも知っているから、家ではなるべく体によいものを……と思って、わたしは食事を作る。


一度、お腹がすいてるなら言ってと伝えたことがある。


 「わざわざ作ってもらえのも悪いし。
それに、無性に食べたくなるときがあるんだよね。」


と、笑いながら言っていた。


でも、なにも隠れてたべなくてもいいのに……。


でも、それが夫の気遣いだとわかっているから、わたしはなにも言わない。


買い物に行った時に、夫の好きな醤油味カップ麺をまた一つ、災害備蓄用のストックに加えておくだけだ。


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