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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第2章  『 シフォンケーキ 』
Sachiさんに伝えたいことを書いた後、わたしは日常へ戻った。


窓の外に目をやると、雨はまだ降っていた。


夫は、今日も遅いだろう……。


体にやさしい食事で簡単なもの……。


お天気のせいなのか、わたしの心のせいなのか、なんとなく気だるかった。


ストックしてある鶏のささみを使って、野菜たっぷりの五目うどんを作ろうと思った。


茹でてあるささみを割く。
にんじん、長ネギ、しいたけは細切りに。
茹でたほうれん草は、同じ長さに切り揃える。
野菜を切っている間に鰹と昆布の合わせだしを作る。
でき上がったものは、ボールに移し、その鍋にごま油をひいてすりおろしたしょうがを入れ、火をつける。
しょうがの香りが立ったら、にんじん、しいたけ、長ネギ、ほうれん草の順にさっと炒めて、だしと薄口醤油を入れる。
野菜に少し芯が残るくらいで止めておく。
最後の仕上げは、夫が帰って来てからだ。


料理をしている時の集中力が気持ちよい。


野菜の切り方に美を求めるつもりはないけれど、包丁が奏でるリズミカルな音は、次の工程を楽しくさせる。


ごま油としょうがの香りは、料理全体の味を想像するのに役立つ。


最後に考えることは。


食べる人の笑顔。


おいしいと言ってくれなくても、おいしい顔で食べてくれるなら、それで充分だ。


作り終えた達成感が好きだ。


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