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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第2章 『 シフォンケーキ 』

電気ポットで早々にお湯を沸かし、
ほうじ茶を入れる。
先日、百貨店で見つけたお気に入りの産地のもの。
わたしは、濃い目にほうじ茶を入れ、パソコンの前に戻った。
「いただきました」の記事の下にある
前のページの文字をクリックした。
タイトルは「痕」
まっさきに飛び込んできたのは、画像だった。
四つん這いになった女性の背中から臀部が映されていた。
なめらかな曲線が、女性らしさを醸し出していた。
臀部には、いくつもの線上の痕が見て取れた。
記事を読むとそこには、こう書かれてあった。
「ご主人様が、鞭打ちしてくださいました。
Sachiのおしりに何回も何回も。
痛さのあまり涙がこぼれました。
でも、何回目だったでしょうか。
Sachiのおしりは熱を帯び、
そしておまんこからは愛液が溢れてまいりました。
苦痛が快感に変わる瞬間でした。
おしりには、鞭の痕がつきました。
ご主人様に、お写真を撮っていただきました。
おしりに残るこの痕は、
ご主人様に愛された証でございます。」
背筋がぞくぞくっとした。
何だろう……この感覚は。
一瞬、画像の女性が自分のような錯覚がした……。
首を大きく横に振った。
縛られたこともなければ、拘束されたこともない。
自分の欲求を満たすために、目にする動画で、
そういう女性を見ることはあっても、
自分にはまったく経験のないことだ。
なのに、それを望んでいる自分がいる?
考えながら、おもむろに湯呑を掴み、くいっとほうじ茶を飲んだ。
「あつっ。」
なぜか……わたしは、動揺していた。

