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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第2章 『 シフォンケーキ 』

わたしは、すっかりSachiさんのブログにのめりこんだ。
Sachiさんの限定記事は、なにからなにまで
淫靡で官能的だった。
わたしは、なぜか自分を投影させていた。
Sachiさんが、拘束された時のことを書いていれば
それは、Sachiさんなのに、わたしになっていた。
想像する時、顔を知らないSachiさんではなくて、わたし。
アナルの調教、それに伴う浣腸も。
後手縛りされた画像。
剃毛された陰部の画像。
目隠しをされて後ろから犯されている時の気持ち。
乳頭を執拗に責めたてられた時の気持ち。
商業用として作られたそれとは違い、
そこに綴られているのは、
Sachiさんが経験したリアルな感情だった。
だから、わたしは
Sachiさんの書いた記事を
想像し、妄想し、
責め苦を受けるSachiさんに
自分を重ね、心も体も湿らせてゆく。
たった5~6つの記事を読んだだけなのに
ひどく疲れているわたしがいた。
「あーーーー。」
わたしは、ため息とは違い、
そして雄叫びとも違う声をあげた。
自分の欲望と感情が制御できない。
「はあ……いいな。」
わたしは、一言、そうつぶやいていた。
Sachiさんの世界は、
わたしが……知りたい世界。
わたしが、求めているかもしれない世界。
羨ましくてしかたがなかった。

