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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第2章  『 シフォンケーキ 』


初ブログを書き終えてから、
わたしは昼食を作り始めることにした。


簡単でおいしいもの……。


冷蔵庫の扉を開けて、どんな材料があるか見た。


久々に、ふわふわ丼が食べたくなった。


たまごと豆腐はある。
あとは……。


野菜室の扉を開けると、九条ねぎがあった。


よし!これでバッチリだ。


フライパンに濃縮されただし醤油と水を入れて、
中火にかけた。


その間に、豆腐とたまご、そして九条ねぎを取り出した。


だし醤油が沸騰した。


わたしは、豆腐をスプーンで掬い入れた。
再沸騰するまでに、たまごを溶いていたら、沸騰しそうになったので、素早くかつおぶしを入れ、溶き卵を流し込んだ。
流し込んだ卵の端が固まってきだしたので
キッチン鋏を使って、九条ネギを切りながら、
フライパンに入れた。
半熟玉子の黄色と、九条ネギの緑のコントラストが
とてもきれいだった。


わたしは、余熱で玉子を温め、
その間に、お気に入りの伊賀焼のカレー皿に
十穀米をよそった。
十穀米の上にふるふるになっている具を乗せた瞬間、だしのいい香りがふわっと広がった。


両手を合わせて


「いただきます。」


と、つぶやいた。


木製のスプーンですくい、大きく一口を食べた。


だしの風味と九条ネギの香りがたまらない。


よく咀嚼し、飲みこんだ。


わたしは、ランチを取りながら、
ブログのチェックをした。


もしかしたら……。


マイページを開き、承認申請の欄を見た。


「Sachi」の文字の横に「OK」と書かれてあった。


うそ……?
ほんとに……?


もしかしたらダメかもしれない…と期待していなかったことが
期待通りになると、「うそ……。」から始まるのはどうしてだろう。


自分が信じなくて……どうするんだ。


わたしの……。
Sachiさんのブログが読みたい!
という気持ちが届いたのだ……。
しっかりとSachiさんに。


見ず知らずの……、正体不明のこんなわたしに読んでもいいですよ…と。


わたしは、大慌てでふわふわ丼を平らげた。


早く、読みたい。
Sachiさんの限定記事……。


つまらない雨の日が、
一瞬にして、楽しい雨の日になった。


雨降りだから……
ずっと家の中で、読むことができるのだ。



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