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LowとChaosの間…
第22章 勇者vs英雄
猛獣のごとき勇樹の突進に、警官たちは慌てて身を引いた。転がる幾人の警官隊は痛みに呻くが怪我をして倒れているだけである。
「どけぇぇぇぇ!!!」
勇樹は雄叫びを上げた。
(魅春……魅春……魅春……魅春……)
彼の進撃を止める者はいない。警官隊は逃げるように道を開けた。
両者の距離はない。
「ええぃ!この死に底ないがっ!」
紫苑は勇樹の勢いを殺すように盾で渾身の一撃を弾く。聖剣も紋章の盾も魔力を帯びる武器に対しては絶大な力を発揮する。紋章の盾は無双正宗の一撃を受けても痕も残らなかった。
だが―-
次の衝撃に紫苑の力が耐えきれず、盾が火花を出し、弾け飛び鈍い金属音が響いた。
「陛下!」
引いていた警官たちが思わず一歩踏み出した。
「ぐぅぅ」
紫苑は聖剣を両手で構えなおし、すぐさま大振りで勇樹に振り下ろした。
勇樹は妖刀でその放物線を受け止める。
「ジャスティスブレードを受け剣しただとぉぉ!?」
肉薄した距離で紫苑は渾身の力を込めて聖剣を叩きつける。一撃、二撃、三撃。
極めて近い相手に連続して斬撃を叩き込めるほど聖剣は軽いものではない。だが、紫苑は汗を吹き散らしながら何度も何度も勇樹に聖剣で斬りかかった。
「ちぃぃ」
勇樹は無双正宗で聖剣を大きく払うと後方に下がった。弾帯の拳銃、隠し持つ手榴弾や投擲用のナイフで紫苑を倒すことは可能ではあるが、この緊迫した状況下で紫苑を倒した後の天津を考えると必殺の一撃を躊躇ってしまう。
(なぜ、ここで邪念がうまれる……)
勇樹にとって、死ぬのは時間の問題になった。人間のため、妖魔のために戦ったように見えるが結果的に愛する者が無事であればいい。それでも脳裏にはこの島の行く末と妻の温もりに二度と甘えることのできない軍人と男の考えが交錯する。
(見せてもらおうか……勇者の決断を……)
勇樹が下がったことで、二人に一定の距離ができた。
紫苑は息をきらせながら聖剣奥義の構えを取った。
(飛翔十字斬で飛び込むか……。流星斬で踏み込むか……。悩んだところで、この男……死と引き換えでなければ倒すことは不可能……)
そのとき、紫苑の額から一筋の血が流れた。
動きを止めて初めて、息が上がるほどの疲労と手傷を負わされていることに気付く。
そして、目の前の敵はもうすぐ血がなくなって死ぬことにも……。
「どけぇぇぇぇ!!!」
勇樹は雄叫びを上げた。
(魅春……魅春……魅春……魅春……)
彼の進撃を止める者はいない。警官隊は逃げるように道を開けた。
両者の距離はない。
「ええぃ!この死に底ないがっ!」
紫苑は勇樹の勢いを殺すように盾で渾身の一撃を弾く。聖剣も紋章の盾も魔力を帯びる武器に対しては絶大な力を発揮する。紋章の盾は無双正宗の一撃を受けても痕も残らなかった。
だが―-
次の衝撃に紫苑の力が耐えきれず、盾が火花を出し、弾け飛び鈍い金属音が響いた。
「陛下!」
引いていた警官たちが思わず一歩踏み出した。
「ぐぅぅ」
紫苑は聖剣を両手で構えなおし、すぐさま大振りで勇樹に振り下ろした。
勇樹は妖刀でその放物線を受け止める。
「ジャスティスブレードを受け剣しただとぉぉ!?」
肉薄した距離で紫苑は渾身の力を込めて聖剣を叩きつける。一撃、二撃、三撃。
極めて近い相手に連続して斬撃を叩き込めるほど聖剣は軽いものではない。だが、紫苑は汗を吹き散らしながら何度も何度も勇樹に聖剣で斬りかかった。
「ちぃぃ」
勇樹は無双正宗で聖剣を大きく払うと後方に下がった。弾帯の拳銃、隠し持つ手榴弾や投擲用のナイフで紫苑を倒すことは可能ではあるが、この緊迫した状況下で紫苑を倒した後の天津を考えると必殺の一撃を躊躇ってしまう。
(なぜ、ここで邪念がうまれる……)
勇樹にとって、死ぬのは時間の問題になった。人間のため、妖魔のために戦ったように見えるが結果的に愛する者が無事であればいい。それでも脳裏にはこの島の行く末と妻の温もりに二度と甘えることのできない軍人と男の考えが交錯する。
(見せてもらおうか……勇者の決断を……)
勇樹が下がったことで、二人に一定の距離ができた。
紫苑は息をきらせながら聖剣奥義の構えを取った。
(飛翔十字斬で飛び込むか……。流星斬で踏み込むか……。悩んだところで、この男……死と引き換えでなければ倒すことは不可能……)
そのとき、紫苑の額から一筋の血が流れた。
動きを止めて初めて、息が上がるほどの疲労と手傷を負わされていることに気付く。
そして、目の前の敵はもうすぐ血がなくなって死ぬことにも……。

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