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LowとChaosの間…
第21章 勇者vs魔王
紅蓮は牙鳥から雪香をこちらに渡すよう手を伸ばす。
「金剛勇樹といったか……お前に女が殺せるとは思えねぇな」
麒麟を人質に取られているが余裕を思わせる声で紅蓮が問う。
「……何とでも言え」
勇樹は答えたが、女が殺せないのではない。戦う意思のない者を殺さないだけで本来の勇樹は紅蓮より手段を選ばない男である。
甲板は意外なところでざわめきがおこる。
「し、紫苑様!」
雪香が声を張り上げる。
「貴様……炎撃拳を喰らって無傷だと……?」
驚愕する紅蓮の目の前には焼き払ったはずの男が立っている。男はゆっくりと紅蓮の元へ向かってくるが、不思議とその者を止める魔人兵はいない。
「勝負しろ……魔王紅蓮…」
紫苑は自らの盾を投げ捨てる。投げ出された盾が乾いた音をたてた。
「死に底ないめ……」
自分を睨む紅蓮から今度は勇樹に目を向ける。
「……どちらにしろメテオ発射管の暴走は止められない。雪香を連れて逃げてくれないか?」
「なんだと?」
それでも止めろと言わんばかりに怒りに満ちた顔で紫苑を睨む。
「方法はある……」
紫苑は勇樹に一言いいかけると紅蓮に剣を向けた。
「どうやら最後になりそうだな」
紅蓮は立ち上がる。
「お前様!」
心配そうに麒麟が紅蓮に叫ぶ。
勇樹は麒麟を解放し、その場に膝ついた。
だが、麒麟は勇樹を案じ、その場からは動かない。
紅蓮も牙鳥に顎をしゃくらせると、雪香を解放させた。
もちろん彼女は紫苑のもとへ駆け出すが、異様な彼の闘志に圧され離れた位置の後ろに立つ。
「お前様……その身体で戦うことはおやめください」
麒麟の言葉に紅蓮は返す、
「ふんっ。覚悟はできてた……」
紅蓮は紫苑に向かって歩き出す。
「雪香、安心しろ。必ず、一緒に王宮へ帰ろう」
「紫苑様!」
雪香は言葉が見つからなかった。
この砲撃は政府にとって、皇女と皇帝代理の排除を意味している。
これ以上、自分のために誰かが傷つくのは嫌で泣きたくなった。
勇樹は息を切らせながら、対峙する二人を見つめた。
任務に反するが、見てみたいと思った。
勇者と魔王の一騎打ちを―-
「金剛勇樹といったか……お前に女が殺せるとは思えねぇな」
麒麟を人質に取られているが余裕を思わせる声で紅蓮が問う。
「……何とでも言え」
勇樹は答えたが、女が殺せないのではない。戦う意思のない者を殺さないだけで本来の勇樹は紅蓮より手段を選ばない男である。
甲板は意外なところでざわめきがおこる。
「し、紫苑様!」
雪香が声を張り上げる。
「貴様……炎撃拳を喰らって無傷だと……?」
驚愕する紅蓮の目の前には焼き払ったはずの男が立っている。男はゆっくりと紅蓮の元へ向かってくるが、不思議とその者を止める魔人兵はいない。
「勝負しろ……魔王紅蓮…」
紫苑は自らの盾を投げ捨てる。投げ出された盾が乾いた音をたてた。
「死に底ないめ……」
自分を睨む紅蓮から今度は勇樹に目を向ける。
「……どちらにしろメテオ発射管の暴走は止められない。雪香を連れて逃げてくれないか?」
「なんだと?」
それでも止めろと言わんばかりに怒りに満ちた顔で紫苑を睨む。
「方法はある……」
紫苑は勇樹に一言いいかけると紅蓮に剣を向けた。
「どうやら最後になりそうだな」
紅蓮は立ち上がる。
「お前様!」
心配そうに麒麟が紅蓮に叫ぶ。
勇樹は麒麟を解放し、その場に膝ついた。
だが、麒麟は勇樹を案じ、その場からは動かない。
紅蓮も牙鳥に顎をしゃくらせると、雪香を解放させた。
もちろん彼女は紫苑のもとへ駆け出すが、異様な彼の闘志に圧され離れた位置の後ろに立つ。
「お前様……その身体で戦うことはおやめください」
麒麟の言葉に紅蓮は返す、
「ふんっ。覚悟はできてた……」
紅蓮は紫苑に向かって歩き出す。
「雪香、安心しろ。必ず、一緒に王宮へ帰ろう」
「紫苑様!」
雪香は言葉が見つからなかった。
この砲撃は政府にとって、皇女と皇帝代理の排除を意味している。
これ以上、自分のために誰かが傷つくのは嫌で泣きたくなった。
勇樹は息を切らせながら、対峙する二人を見つめた。
任務に反するが、見てみたいと思った。
勇者と魔王の一騎打ちを―-

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