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LowとChaosの間…
第21章 勇者vs魔王
-船室-
―-はっ
「紅生!」
麒麟は立ち上がった。
胸が痛む。
また、胸を押さえて、うずくまりそうになる。
何とも言えぬ不快感。甲板で愛する夫が死ぬ気で戦っていると思うと気が気でなくなる。次に夫を見た時。屍であったらと息が詰まった。
「あの……」
雪香は麒麟に心配するような眼差しを向けた。
敵である彼女は本当に敵なのであろうか。こんな優しい敵は認めたくない。
麒麟は雪香に「心配しないで」と小さく呟き立ち上がった。
(私は侍の妻だ)
決心した。こんなところで蹲っているのは―-
(紅生がどうしようと、それに着いて行くと誓ったんだ。世継ぎを残せない私を愛してくれた。顔が爛れ、視界が淀んでもいい。彼は生きていてくれた)
紅生の最後の生き様をこの目に焼き付けよう。
それが侍の妻である私の本懐。
「……あなたは好きにしなさい。私は……私の死す場所は最初からあそこしかない」
麒麟は船室を出て行った。
「…………神のご加護を」
雪香は両手を組んで神に祈った。
―-はっ
「紅生!」
麒麟は立ち上がった。
胸が痛む。
また、胸を押さえて、うずくまりそうになる。
何とも言えぬ不快感。甲板で愛する夫が死ぬ気で戦っていると思うと気が気でなくなる。次に夫を見た時。屍であったらと息が詰まった。
「あの……」
雪香は麒麟に心配するような眼差しを向けた。
敵である彼女は本当に敵なのであろうか。こんな優しい敵は認めたくない。
麒麟は雪香に「心配しないで」と小さく呟き立ち上がった。
(私は侍の妻だ)
決心した。こんなところで蹲っているのは―-
(紅生がどうしようと、それに着いて行くと誓ったんだ。世継ぎを残せない私を愛してくれた。顔が爛れ、視界が淀んでもいい。彼は生きていてくれた)
紅生の最後の生き様をこの目に焼き付けよう。
それが侍の妻である私の本懐。
「……あなたは好きにしなさい。私は……私の死す場所は最初からあそこしかない」
麒麟は船室を出て行った。
「…………神のご加護を」
雪香は両手を組んで神に祈った。

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