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LowとChaosの間…
第16章 勇者の咆哮
黒い肌に貴族服。
長い銀の髪をなびかせている賊はイヴァリスの妖魔ダークエルフ。

雪香と少女達は裸にひん剥かれ、無造作に床に倒れている。

肉の焦げた匂いは暖炉で少年達を生きたまま焼いたのだ。


「貴様……」

「ようこそ、紫苑警視長」

「暗黒のエルフ……何者だ?」

「貴公と同じ、内務省で働く者だよ。仕事は掃除だがね……」

紫苑はゆっくりと倒れている静香の首(頚動脈)に手をあてる。
生きているし、犯された形跡もない。

「姫…」

紫苑は呼びかけると皇女は答えた。

「紫苑様…」

どうやら、
雪香は意識があるが疲弊して動けないだけのようだ。

「安心してください。悪者は退治致します」


紫苑はエルフに向き直った。

「聞いたことがある……スウィーパーという内務省の暗殺屋か」

「掃除だよ。ゴミ掃除。最近は皇帝陛下を片付けた……」

(やはりな……しかし、いったい誰が……?)


「なんで、子供たちを殺した?」

「悪いが……掃除しかしてない。 焼却処分って知らないか? 意外に頭悪いんだね」

―-!!
紫苑は踏み込み、剣を掃除屋に振り下ろした。

「うぉぉぉぉぉ!!」


―-速いッ!?
エルフは残像を残すほどの速さでその一撃をかわす。
わずかに頬を切り裂かれ、傷口からは真っ黒な血を流れた。


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