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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)


再び自分の足下を見る。



最初はかわいい靴履いて行きたいとか思ってたけど、やっぱりこの靴買ってもらって良かったのかも……。



意地張ってないで、ちゃんと、お礼を言うべきな気がして来た。



そう思って店長の方を見上げようとしたら、前の男の子が、ほら!と言って女の子に手を差し出していた。



「こっ、転ばねぇようにちゃんと俺のこと掴んどけってっ……」


「…………っ」




お互いに顔が真っ赤。


ぼんやりとそんな2人を見ていると、女の子が差し出された彼の手をギュッと握った。



「………うん…っ。あり…がと………」



「………………おぅ」




……………ナニコレ。



見てて恥ずかしくなって来た。


私にはあんな青春なかったんだけれども……。



「……若いって恐ろしいな……」


「で…すね……」




店長と私で呆然としながらそんな会話をする。


さすがにああなりたいとかは、この年で思わないけど、ギュッと繋がれている手を見るとやはり少しだけ羨ましいと思ってしまった。





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