この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
◇なななの短編◇
第16章 困る騎士(† 姫と剣 †)
「姫……」
未だにまだそんな呼び方をするリューイに、私は息を切らしながら、フッと笑う。
「もう…姫じゃないのに…」
「いいんです…」
「………?」
「私にとってはいつまでも、あなたは『愛しい姫』ですから…」
「っ…………」
たまに降ってくる、甘い言葉にバクバクと心臓が高鳴る。
加えて優しい笑みを添えたリューイは、そのまま私の額にチュっと音を立ててキスを落とした。
いつまでもお姫様扱い。
前は姫という身分が邪魔で嫌で仕方なかったけれど、彼だけの姫というのはとても良く感じる。
そして、いつもそばで私を守ってくれるリューイは…
「じゃああなたは…私にとって永遠の騎士ね」
顔を見合わせると、どちらからともなく、ふふっと笑う。
そして、再び唇を合わせるとリューイは私の後頭部に手を添えて再び舌を絡め取った。
「んっ……ぁっ…」
「………さっきは乱暴にしてしまったので…今度は優しく抱かせてください」
「っ……今度はって…」
いつものごとく、一回では終わらない。
それに、乱暴にしてしまったといいつつ、優しかったのに…っ
そんなことを心の中で言いながら、私は再びリューイに身を任せていた。
「困る騎士 († 姫と剣 †)」【完】

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


