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◇なななの短編◇
第11章 さっぽろ雪まつり!(B,近甘,ᙠ)

「桜」
「はい?」
振り返ると、店長がフッと笑って私を見ていた。
「そんな急がねぇでも別に時間あんだし……」
「……………」
「ちゃんと全部回ってやっから、ちょっと落ち着け」
「っ…お…ちついてます!」
「はいはい」
全く…大人ぶっちゃって。
そういう店長の方が、もう少しテンション上げた方がいいと思うけど。
「気を付けねぇと転ぶぞ」
「だから転びませんて!」
そう反論すると、突然キャッ!という小さな悲鳴が前から聞こえて来て、私は前に向き直った。
「大丈夫かっ愛花⁉︎」
「ご、ごめん……っ」
先ほどの女の子が滑ったんだろう。
それを見て、男の子がすかさず体を支えている。
「……そりゃあんな靴じゃ滑るだろな」
隣で店長がそんなことを言っている。
確かに、彼女の足下を見ると普通のスニーカーを履いていた。

