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面会に来た嫁を襲う老人ホームの鬼畜たち
第2章 2
しかし、そうは簡単にはいかなかった。

「父がいいなら、私はそれでいいですよ」

満の返事は瀬島の想定外だった。見ることもなく了承が得られるケースは稀だったからだ。しかも、遠いわけではない。千葉県に住んでいて、しかも、職場は23区内のはず。仕事帰りでも見学可能なのに…。咄嗟に考えたのは、契約のこと。

「そうですか。では、契約でいいのでしょうか?」

と、確認をすると、

「資料だけ、送ってください。金額などを確認したいので」

と、返事があった。となると、

契約書も送ってくれとなる可能性がある…。

「説明が必要ですので、お伺いしましょうか?」

瀬島が窮余の一策で、切り出した。

「そうですか。う~ん、どうしようか」

満が悩み始めた。

「会社でも、ご自宅でもお伺いしますが」

瀬島の読みとしては、会社は不都合だと答えるはず。

そうなると、自宅を選ぶしかない。

そうなれば、満の嫁の顔も拝める可能性が高いと考えた。

「会社近くのカフェでお願いします」

満が少し考えて答えた。了承するしかない。

「わかりました」

瀬島は答えて、場所と時間を決めた。

なかなかにガードが堅い。

ガードをしているつもりなのかどうかはわからないが、

見たいものが見られないというのは、ヤキモキする。

瀬島は、佐藤に、今までの流れをLINEで伝えた。佐藤から、

「施設の申し込みは、家族が見学の上、
同意してもらうことが条件と伝えてみては」

と、LINEで返信が来た。なるほど…。確かにいいアイディアだった。

「カフェで会って、申し込みという話になったら、それを伝えるよ」

瀬島はLINEで答えた。


そして、決めた日時に瀬島は言われたカフェに向かった。

カフェで満と会った瀬島。瀬島が渡した資料に目を通す満。

「父がいいと言っているなら、金額的にも可能な範囲だし、お願いしようか」

瀬島に満が答えた。

「そうですか。それは良かったです。
申し込みですが、ご家族が施設を見学の上で、
同意書に署名押印が必要なのですが…」

と、瀬島が切り出した。

「なるほどね。それは、確かに、私も確認しておきたい」

満が答えると、

「同意書なのですが、ご家族から二名が必要なのですが、ご兄弟でよろしいでしょうか?」

と、敢えて大阪の姉が来ないことを承知のうえで確認した。
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