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面会に来た嫁を襲う老人ホームの鬼畜たち
第3章 3
40歳半ばの満に比べて、15歳以上は若く見える茉莉花。
満には勿体ないと、重ねて思った瀬島。
「お父さんの状態ですが、ヘルパーから、
『できないことが増えている』『物忘れが増えている』など
具体的な内容も添えて報告がありました。
そこで、かかりつけ医の診断を仰ぎました。
その結果が、その診断書です。
そして、そちらの文書は私もケアマネジャーとしての
経験から多くの認知症の方を見てきました。
そこから今後の認知症が進んだ場合の症状を
お伝えさせていただきました」
二人の顔を見ながら瀬島は話し終えた。
「そうですか…」
それだけを言って沈黙した満。
「原因は一人暮らしをしていることだありましたが、
同居すれば解決できる問題なのでしょうか?」
茉莉花が瀬島の顔を真っ直ぐに見て訊いた。
正面から視線を合わせて見つめられるとドキッとした瀬島。
透き通った漆黒の深い瞳。
『何もかも見透かされているのではないか』
という疑念が湧いて消えた。
茉莉花の視線を真っ直ぐに見つめ返して、
「改善できる可能性はゼロではないと思いますが、
ご主人も奥様も、共働きですね。
同居しても一緒に過ごす時間は限られているのでは?
どちらかがお仕事を辞める。
もしくは、中断することが可能であれば別ですが。」
瀬島は答えた。沈黙する満と茉莉花。
「すぐには回答できる内容ではないですよね」
瀬島が二人を見て話した。
満の脳裏に『介護休暇』という言葉が過ったが、
今でさえ、10歳年下の妻より収入が少なく、
『妻の脛をかじる男』という陰口を叩かれているだけに
『介護休暇』を取れば、『ヒモ』と言われるのは目に見えていた。
かと言って茉莉花が『介護休暇』を取れば、
家計は火の海。会社も回らなくなる可能性すらある。
少なくとも満と茉莉花が所属する『プロジェクト推進部』は、
その推進力の過半を失うことになり、業績に直結することは
二人にはわかっていた。
会社に迷惑を掛けるわけにはいかない。
どうせ休むなら満…。
悔しいが満が『介護休暇』を届けても慰留はされない。
茉莉花が『介護休暇』を届ければ、遺留されるのは間違いない。
そして、周囲から満に
「『介護休暇』はお前が取れ」
と、言われるのも、わかっていた。
満には勿体ないと、重ねて思った瀬島。
「お父さんの状態ですが、ヘルパーから、
『できないことが増えている』『物忘れが増えている』など
具体的な内容も添えて報告がありました。
そこで、かかりつけ医の診断を仰ぎました。
その結果が、その診断書です。
そして、そちらの文書は私もケアマネジャーとしての
経験から多くの認知症の方を見てきました。
そこから今後の認知症が進んだ場合の症状を
お伝えさせていただきました」
二人の顔を見ながら瀬島は話し終えた。
「そうですか…」
それだけを言って沈黙した満。
「原因は一人暮らしをしていることだありましたが、
同居すれば解決できる問題なのでしょうか?」
茉莉花が瀬島の顔を真っ直ぐに見て訊いた。
正面から視線を合わせて見つめられるとドキッとした瀬島。
透き通った漆黒の深い瞳。
『何もかも見透かされているのではないか』
という疑念が湧いて消えた。
茉莉花の視線を真っ直ぐに見つめ返して、
「改善できる可能性はゼロではないと思いますが、
ご主人も奥様も、共働きですね。
同居しても一緒に過ごす時間は限られているのでは?
どちらかがお仕事を辞める。
もしくは、中断することが可能であれば別ですが。」
瀬島は答えた。沈黙する満と茉莉花。
「すぐには回答できる内容ではないですよね」
瀬島が二人を見て話した。
満の脳裏に『介護休暇』という言葉が過ったが、
今でさえ、10歳年下の妻より収入が少なく、
『妻の脛をかじる男』という陰口を叩かれているだけに
『介護休暇』を取れば、『ヒモ』と言われるのは目に見えていた。
かと言って茉莉花が『介護休暇』を取れば、
家計は火の海。会社も回らなくなる可能性すらある。
少なくとも満と茉莉花が所属する『プロジェクト推進部』は、
その推進力の過半を失うことになり、業績に直結することは
二人にはわかっていた。
会社に迷惑を掛けるわけにはいかない。
どうせ休むなら満…。
悔しいが満が『介護休暇』を届けても慰留はされない。
茉莉花が『介護休暇』を届ければ、遺留されるのは間違いない。
そして、周囲から満に
「『介護休暇』はお前が取れ」
と、言われるのも、わかっていた。

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