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O……tout……o…
第1章 おとうと
 36

 今更、こんなわたしを結婚式に招待するなんて…
 いったい、どういうつもりなんだろうか?

 わたしは、テーブルの上のこの招待状を手に取り、見つめ、逡巡していく。

 本当にあれっきり…
 大学入学の上京を機に、全く顔も、いや、声さえも聞いたことがなかった。

 かろうじて母親にだけ、生存確認という意味で、住所と電話番号を教えてあるだけ…
 そして万が一、変わった時にだけは教えてはおこうと思ってはいただけであり…
 本当に、全く、上京してからは、繋がりは絶ったままであるのだ。

 あれからもう10年…
 いったい、どんなつもりの意味があるのだろう?
 それに、こうして招待されたって行くつもりはないのに…
 いや、それは分かっているはずだと思うのだが…

「ふうぅ……」
 わたしがこの招待状を見つめながら、そんな思いを逡巡していると…
 ブー、ブー、ブー、ブー…
 スマホが着信した。

「あ…」
 それはさっき無理矢理、別れを告げ、追い出したタカシからの着信であった。

「ふーーー……」
 スマホを手に取り、とりあえず電源を切る。

 こんな突然だし、タカシの性格だから、しばらくは、ストーキングに近い行動を取るであろう…
 それに、これは、あまりにもわたしが一方的過ぎだということには違いない。

 でも、かわいそうだが仕方がないんだ…
 このトラウマだけは、一生消える、いや、消せるはずがないんだから…
 かわいそうだが………
 その夜は眠れなかった。
 
 それからは、目を閉じるとあの時のしんちゃんの顔が、姿が浮かんでしまうようになってしまっていた…
 そう、だけど、その浮かぶ姿は、あの最後のしんちゃん、つまりは、中学三年生になるしんちゃんの姿である…
 そしてわたしはその中学生のしんちゃんに心を揺るがせ、戸惑い、不惑に落ち込んでいく。

 これは禁忌の罰としての当然の報いなのだが、辛く、苦しかった…
 そして、タカシのストーキングもしばらく続いた。

 だが、幸いなのだろうか…
 仕事が忙しく、いや、激務となっていたから、帰宅がどんどん遅くなり、日付けが変わる時間の帰宅もかなり増え、それに比例して、タカシの影が消えつつあった。

 そしてその激務の疲労も加味され、眠れない夜が減ってきつつあった…

 それから瞬く間に、約一ヶ月が過ぎていった。
 



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