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Mの誘惑 -封じ込めた告白-  和田みさき著
第8章 落ちて行く私
私には、お客を愉しませる演技などひとつも思いつかなかった。どこを眺めて良いのか判らず、ゆらゆらとピストンマシンに|縋《すが》りついた。
 硬質ゴム製で男根を模したディルドは、間近で接するとさらに具体的だった。 包皮の皺まで丁寧に造られ、雁首には尿道口まで刻まれている。言葉にできない温もりを放っており、今にも先走り液を垂らしそうだった。
 私は、それを握りしめた。両手で握ってなお、亀頭が飛び出した。
 痒いほどの痺れが子宮を包んでいて、もはや一瞬たりとも落ち着けない。大勢の女性が味わった性具を見つめ、こんな環視のなかでこれを挿し入れたらどうなるのか想像した。
 私は読書を通して豊かな想像力を身に着けており、それは淫らな局面にあっても遺憾なく発揮された。
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