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人妻Mの白昼夢~入れ替わられた女~
第2章 わたくしのこと
 だからといって彼に恋愛感情は抱いていませんでした。彼のルックスは平凡で身長は低く、引っ込み思案でオドオドしたところがあり異性として憧れる対象ではなかったのです。

 ですから彼が帰宅途中に一人になった私に声をかけてきて、人気のない公園で告白してきたときは凄く驚きましたし、そんな勇気を出せるんだと気がつけば交際を承諾していました。彼は本当に私のことが好きだったのでしょう。私は初めての彼氏が欲しかっただけですが。

 あのときの彼の顔は真っ赤でした。おそらく私の顔も真っ赤だったと思います。しかし2学期が始まるとすぐに破局してしまいました。

 二人とも部活動はしておらず系列高校に進学で受験もなかったので、夏休みにはいると毎日のように会いデートしていました。お互いに初めての彼氏彼女で浮かれていたし、実際私は彼と過ごすのがとても楽しかったのです。彼は私をとても大切にしてくれましたから。

 地味な二人のデート場所は学校からやや遠くの公共の図書館がほとんどでした。本棚を一緒に回ってはあれこれと本の話をする。自動販売機で飲み物を買って雑談スペースや近くの公園でおしゃべり。
 8月下旬、花火を見に行って閉館後の人気のない図書館の裏でファーストキスを交わした時には胸がときめきました。素敵な青春の思い出です。あのときには彼のことを好きになっていたようにも思います。でも、かっこいいとは決して思っていませんでした。

「夏休みの最終日、課題がちゃんとできてるか確認したいから僕の部屋に来ない?僕一人しかいないから」
 夏休みの終わりが近づいたあの日のいつもの図書館デートの帰り道。彼がつないだ手にじっとり汗をかきながらもさりげなさを装って誘ってきたとき、キスから先の関係に進むことを私は確かに期待していました。同級生の女の子の中には既に経験を済ませている子がいましたから。

 裕福な彼の両親は貿易関係の会社を経営していて出張で二人とも家を空けることが多いと聞いていました。初めて訪れた彼の家に誰もいないことはわかっていましたが、私はこれからの展開を想像して緊張し興奮もしていました。
 ところが、恐る恐る玄関をくぐり彼の部屋に入った途端に態度が豹変し発情したオスの顔で襲い掛かってきた彼に私は恐怖を感じてしまい、「やめて!」と叫び泣き出してしまったのです。
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