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イケナイアソビ。
第5章 生け贄は蜜に溺れる
菊生は夢の中で労りを見せてくれる誰かに身を委ね、甘えた。
「どうか食してはくださいませんか、主が心配なさっています」
巫女は静かにそう言った。
心配――。
それはおそらく、『自分が死んだら生け贄をまた探さなくてはならないから』だろう。
だが、菊生にはもう生きるという意欲はなかった。
菊生は床に蹲ったまま、動かない。
(夢の中で、またあの人に会えたら……)
最近の菊生は束の間、自分を包み込んでくれる男のことばかりを考えている。
「いい加減にしないか、これだから人間は……!」
彼女は呻るようにそう言うと、口の端から鋭い牙を生やした。
彼女の姿は仮染めなのだろう。鬼のようなその姿で菊生へと間合いを詰めると、細い首に伸びてきて、握り絞めた。
その手の力は恐ろしく強い。
(息が……できない)
突然の変貌に恐怖を覚えた菊生は反応が遅れ、逃げることができなかった。
両の手が力なくだらりと垂れ下がる。
(このまま、死んでしまうのだろうか……)
呼吸ができず、このまま死に逝くのだろうと思った覚悟した矢先だった。
「何をしておる! 私は汝に命じたのは食事の配給ぞ! 下がれ」
気が遠のくその中で、菊生がここに来てから聞いたことのない、低い男の声が、薄暗い奥の部屋から聞こえた。
「ですが、主!!」
「下がれと言うておろう!!」
彼女は口答えをするも、男は威圧的に命じた。
菊生から手を放すと、すごすごと座敷を後にした。
解放された菊生は大きく咳き込み、冷たい床に頽れる。
残ったのは知らない男と菊生のみ。
(誰?)
――いや、誰かはわかる。
彼女は、男のことを『主』と呼んだ。
主はこの祠の主、付喪神しかいない。
だとすると、自分はまた、あの触手に快楽を与えられるのだろうか。
菊生は恐怖を感じるものの、それでも心とは裏腹に身体が疼くのを感じた。
身体は正直だ。
菊生の両胸にある乳首はツンと尖り、太腿の間にある陰茎は膨れはじめている。
触手に抱かれ続けた結果がこれだ。
乳首は大きく膨れて赤く艶やかになり、尻孔は苦もなく太い触手を咥えられるまでになった。
ここへやって来た当初とは違って身体はずっと卑猥に変化を遂げていた。
快楽を求めていた。
そんな淫らな自分が恨めしい。

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