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イケナイアソビ。
第3章 淫らな夜の喘事。

 ◆



 俺、矢中 拓磨(やなか たくま)は将来の夢もなりたい職業も、なあんにもない、25歳のこれといって趣味もないフリーターだ。

 働くのが嫌で遊ぶために通った大学も終わり、親には呆れられて家を追い出された。
 だから今は気ままな一人暮らし。
 そんな俺だけど、ちょっと悩みがある。
 それというのも、実は最近、誰かにつけられているような気がするんだ。

 1週間前くらいからかな。
 それは決まって居酒屋のバイトでの夜中帰りの道すがら。
 そこはあまり灯りがなくて、狭い道路の1本道。
 足音がして振り返ると気が立ち並んでいる以外何もない。
 まあ、男相手に誰が何をするわけでもないから気にもしていなかったんだが、こう何日も続くと気味が悪い。

 だけど親には今さらどうやって顔向けしていいのかわからないし、当然友達になんて相談できるわけもなく、俺は少し警戒しながら帰宅する。

 できれば夜中のバイトなんてしたくない。でも日中はたくさん遊びたいし、そんなこんなでなかなか夜のバイトから抜け出せないわけで……。


 あ~あ、楽しく稼げるバイトなんてあったら教えてほしいぜ。
 それがどれくらい続いただろう、ある日。
 ふたりの男が俺に話しかけてきたんだ。

「やあ、矢中くん」
「誰?」
 声を掛けられて振り返ると、そこにはいかにもジムに通っていそう筋肉質の男の人が立っていた。


 年齢はふたりとも40代後半くらいかな。背は俺よりも頭一つ分高いから、きっと190近いんじゃないかな。
 薄暗いここからだとよくはわからないけど、彫りが深くてそこそこ男前だと思う。
 親しみを込めて呼ばれたから誰かと思ったけど、当然、俺はこんな人たちは知らない。

「何? 俺に何か用ですか?」
「君、楽して稼げるアルバイトを探してるんだよね。ごめんね、居酒屋で盗み聴きしちゃって。君に折り入ってお願いしたいんだ。俺たちの身の周りの世話をしてもらえないかな」
「はあ?」
 突然何を言い出すんだろう。

 身の周りの世話?
 俺は人様を世話できる器量なんてないぞ。
 断ろうとしたら――。


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