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第21章 HOTEL　 Paradise　～なゆたサンドレシピその②～

お部屋の…ドアを入ると
やっぱり…前の時と同じで、
ワンクッションの短い廊下があって。

靴を脱ぐためのスペースと
親切にブーツとか脱いだり
履いたりするのに助かりそうな
小さいスツールが置いてあって。

その横には…フード類を
顔を合わせずに受け取れる
受け取り専用の口と。
そのフード類を置くのに丁度いい
棚みたいな…エリアがあって。

数歩分の廊下の先には…、
普通のドアじゃなくて
木製の…丸いガラス窓が付いた
船のドアって感じのドアがあって。

『おお、凄いね、ドアからして
結構船室イメージしてあるね』

ドアノブの形も古い船のドアって
感じの持ち手がついているから。
そのノブを握ってガチャとドアを開いた。

『おおおっ！ヤッバ、テンション
マジ上がんじゃん。マジ海賊船じゃね？』

お部屋の中は……船室風になっていて
壁も雰囲気のある板張り風の
クロスが貼ってあるし。
お部屋の中にも…宝箱が
積み上げられていて。

蓋が空いてる宝箱もあって
その中に入っている色とりどりの
大きな宝石と金貨がライトで
下から照らされて光っていて。

『空箱あるじゃん、なゆ、翔見ろよ』

『ちゃんと上からアクリル板で
蓋してあるから中身を
持って帰られる心配もないね』

「わぁ～、凄いよ、あれ、あっち
ガラスのテーブルが…水槽になってる」

ドアの正面のスペースが…
奥にソファがある
リビングになっていて。
ソファの前にあるテーブルが
長方形の水槽になっている。

『これ、中に魚とかいんの？』

『水槽があるラブホテルとかは
枕元とか仕切りの壁とか
柱とかに水槽があったりするけど…』

テーブルが水槽なのは珍しいねって
翔がそう言っていて。お部屋に
水槽があるラブホテルがあるんだって
その言葉で私は知ったぐらいで。

『なゆ…、見ろよ、魚泳いでるぞ』

「偽物が入ってるのかと思ってた
本物の魚泳いでるんだ、凄いね」

『この水槽の中も…ちゃんと
世界観は…守られてるんだね…』

テーブル型の水槽の中には…
カワイイサイズの熱帯魚が泳いでて
底には沈没船みたいなオブジェが
置かれていて…らしい感じになってる。