この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
美味しいサンドイッチの作り方
第15章 ふたり…きりの…おうち
リラックスできそうな…BGMも
Bluetoothのスピーカーから
会話の邪魔にならないボリュームで
流れて来て。
『なゆた、こんなのもあるよ』
そう言って翔が取り出して来たのは
家庭用の天井に夜空を投影する
ホームプラネタリウムで。
翔がスイッチを置いてそれを
ベッドの横に置くと…
壁やロフトの裏側に星空が映し出される。
「お昼の明るい時間なのに…
お部屋の中だけ…夜みたい…」
ベッドの上で2人で並んでも
余裕のある広さのベッドで
一緒に…ロフトの裏側に
映し出された私達のためだけの
星空を…静かに眺めていた。
こうしてると…オートキャンプ場の
キャンピングカーで…眺めた
星空を思い出す。
『いつか…北海道に…星を
観に…行きたいんだけどね。
後は…ナミブ砂漠と
ニュージーランドのテカポ湖にも
いつか…行ってみたいとは…思ってる』
ナミブ砂漠とテカポ湖は
星空が綺麗な場所として
世界的に有名な場所みたいで。
『来年は…北海道に旅行に行こうよ
僕だけで行くのもあれだし、
3人で行くなら…父さんも
いいよって行ってくれそうだし。
光の勉強は僕が見るって言えば
旅行も行かせてくれないかなぁって』
「翔お兄ちゃんは…本当に
星が…好きなんだね…」
私が饒舌に色々と話をしてくる
翔の言葉にそう返すと、
一瞬だけ…困った様な悲しそうな
そんな顔を翔がして。
『………彼女が……
何よりも…愛してた物だからね。
彼女が…夏稀が…僕に…
星と宇宙の魅力を教えてくれたんだ、
初めから好きだった訳じゃないんだよ』
家族で遊びに行った…あの科学館で
家族とはぐれた時に出会ったのが
夏稀って名前の女の子…で、
真っ白のワンピースを来た
ショートボブの…女の子に
一目惚れをしたのが…小学生の頃…。
中学になって入学式で再開して
恋人同士に……なって…。
夏休み…に…地元の図書館に
本を返しに行った帰り道に
飲酒運転の…車に撥ねられて……。
そのまま…出会ったのは…
病院の…ベッドの上の
変わり果てた…姿…の夏稀で。
『ごめんね…なゆた…、こんな
話…しちゃって……。この話は…
お終いに…しようか、なんだか
湿っぽい…空気になっちゃったね…』

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


