この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
家は檻。〜実父の異常な愛〜
第7章 荊棘の視線
昼過ぎの店内には、障子越しに差し込む陽の光だけが広がっていた。
孝幸と高橋は仕入れのために店を空け、鈴木は得意先への配達に出ていた。
月島呉服店には、佐藤周作ただひとり。

「……よしっと」

帳場の帳簿に目を落とすふりをしてから、佐藤は腰を上げた。
白い足袋のまま、階段を軋ませる。重みを消すような、しかし慣れきった足取りだった。

二階の廊下を進み、突き当たりの白い扉の前で立ち止まる。
小さな花飾りが下がったその扉──月島こよみの部屋。

「ただいま〜っと……」

佐藤は、誰に言うでもなく囁きながら、音もなくドアノブを回した。

部屋の中には、昼下がり特有の淡い光が満ちていた。
ピンクのカーテンが揺れ、白く塗られた学習机には、糸巻きと小さな裁縫箱。
花柄の掛け布団、その脇に置かれた白いぬいぐるみが、無言でこちらを見つめている。

「はぁ〜……やっぱ、いい空気してるよねぇ……」

佐藤は和装の裾を軽く持ち上げながら、部屋の中央を横切ると、迷いなくクローゼットの前にしゃがみ込んだ。

軽い音を立てて、戸を開ける。
中には、白やパステル調の衣類が丁寧に吊るされている。
その下──木製の小ぶりなタンス。

ひとつ、引き出しを開ける。

「うんうん……ちゃんと畳んで……えらい、ほんとに」

中には、ジュニアブラやキャミソール、パンツが色ごとに並べられていた。
胸元に裏地のついたブラ、白地にレースのパンツ、水色、薄ピンク……すべてが淡くて、柔らかそうだった。

「社長の趣味だねえ、まったく。……でもまあ、俺も、こういうの好きだけど」

タグをめくるようにサイズを指先で撫で、ふっと笑う。
「お、成長〜……ふふっ」

続けて、佐藤は隣の引き出し──ハンカチ類がしまわれたスペースを開ける。

「あ〜、今日のはどれにしよっかな……」

一枚ずつ、丁寧に開いていく。
花柄、動物柄、レース付き、刺繍入り。どれも小ぶりで、少女らしい布だった。
やがて、淡い水色にうさぎの刺繍が入った一枚を取り出す。

「うん、これだね。今日のは」
/75ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ