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家は檻。〜実父の異常な愛〜
第7章 荊棘の視線
引き出したハンカチを膝に乗せると、懐から別のハンカチ──洗って畳み直したそれを、元の位置にそっと滑り込ませた。

「交換、完了〜っと」

そして、佐藤はベッドに腰を下ろす。
敷き布団の柔らかさに尻を沈めながら、タンスから選んだばかりのハンカチを顔の前に持ち上げる。

やがてその布を両手で握りしめると、佐藤は着物の裾をまくり上げた。

下着越しに膨らんだ陰茎が、布の擦れに反応して小さく震える。手のひらを滑らせるたび、くぐもった湿気が指にまとわりついた。

「こよみちゃん、背も伸びたし……肌も白くて……うん、うん、ほんと可愛い……完璧……」

皮を捲ると、鈍く光る先端が露わになる。粘り気を帯びた液がとろりと糸を引き、袴の裾に滲んだ。佐藤は指先にそれを絡め取り、ゆっくりと亀頭を撫でるように押し潰す。
呼吸が荒くなり、肉棒は膨張を強める。根元から上下にしごき上げるたび、小刻みに震える動きが濁った音を生む。

「……俺がっ……守らなきゃ……誰も、ほんとの意味でこよみちゃんを大事にしてあげて……ないんだよ……」

動きが粗くなる。重たく鈍い音とともに、腰が前へせり出した。射精の瞬間、亀頭をハンカチで包む。淡い色の木綿のハンカチは、粘ついた体液で色を変えていった。

──数分後。

荒い吐息とともに、彼は震える指でそのハンカチを丁寧に畳んだ。
白く濡れた部分を内側に隠すように、いつもの折り目で。
そのまま、懐の内ポケットへ滑り込ませる。

「うん……今日もいい子だった。ほんとに」

立ち上がると、周囲をざっと見回す。
ベッドの皺を手のひらで軽く撫で、椅子の位置を直す。
そして最後に、下着の引き出しとハンカチの引き出しを閉めていく。

何事もなかったかのように、部屋を整える。
ふたたび白い扉を閉めると、廊下には元の静けさが戻った。

扉の奥には、何も変わらぬ少女の部屋。
ただひとつだけ、ハンカチの並びが、わずかに違っていた。
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