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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第10章 雷雨に綻ぶインモラル
踏みにじられた花びらが舞うように、葵の黒髪は揺れて、背中が弓なりに反った。

葵の腰を抱きしめるようにして、根元まで裕樹のモノを加え込むように抱えると、体温の膜で覆われているように錯覚する。

釣り鐘のようになった胸が、ストロークに合わせて重たく揺れ、雫を垂らしながら外気に晒されている。

その姿は、仮想のギャラリーを集めたストリップショーのようだった。

打ち付ける土砂降りの雨と、ぱちゅんぱちゅんと肉同士がぶつかり合う音が、扉の敷居を境界線に旋律を奏でる。

「あっ、…んっ…はぁっ…!」

1回目の時のように、快楽に圧倒されるのとは一線を画し、突き上げる肉棒が葵の中の肉壁の形を一つずつなぞりながら滑っていく。

揺れて暴れる乳肉を後ろから鷲掴みにして、誰かに見せつけているかのような背徳感に、裕樹の理性が灼けていく。

葵は両手を床について、肩を震わせながら、必死に声を殺しているように見えた。

外気に晒されている今、その抑え込もうとする感情は、裕樹にも伝わってくる。

誰かに見られる、誰かに聞かれる───その恐怖心が、葵をきつく縛っているようで、さらに背徳感が募っていく。

裕樹は後ろから覆いかぶさるように、葵の耳元で口を開く。

「…葵ちゃん、こんな嵐の中、誰も見てないよ。だから、安心して。」

「…んんっ、…はずか…しぃ…っ」

葵の奥を押し広げたまま、裕樹は動きを止める。

肩と背中が荒い呼吸で波打ち、ぶらさがった乳肉が小刻みに揺れていた。

その柔らかい輪郭を指先でなぞると、葵の体がビクッと震え、最後の一押しをするように囁く。

「この雨の音で、僕らの音は誰にも聞こえない。だから、大丈夫。」

そして再び、葵の腰を両手でがっちりと抱え込み、逃げ場を奪うように引き寄せた。
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