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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第10章 雷雨に綻ぶインモラル
裕樹の言葉が免罪符になったのか、葵は堰を切ったように押し殺していた声が溢れ出す。

「あ゛っ……、ひっ」

喉を詰まらせるような、短い嗚咽。

一度漏れた声は、葵自身も抑えが効かなかった。

もっと鳴け────そう言わんばかりに、葵の腰を揺らすように、深く肉茎で奥をノックした。

「ひっ……く、あっ……んぁっ、…やぁっ……ひぐっ…」

涙声が混ざる舌足らずな甘い声が、土砂降りの雨音と瞬く雷鳴にかき消されていく。

二人の中の理性と羞恥が、この雨に押し流されて、地面に溶けていくようだった。

(葵ちゃん…、泣いてる…?)

葵の涙混じりの艶声が、裕樹の胸を抉った。

無限に続けられると錯覚していたピストンが、ふいに込み上げてくる射精感に揺らいだ。

根元まで絡みつく感覚が、絶頂へのカウントダウンを一気に早めていく。

葵の揺れる肉房を押し潰すように揉みながら、覆い被さるように体を抱きしめる。

「ああっ…くるっ、出るっ!」

「ひっ…、やあぁっ…うぅん…っ、ぅ…」

根元から吸い出されるようにして、ドクドクと葵の中へと注ぎ込まれる。

ビクンビクンと脈動する下半身は、裕樹の意思では制御できない。

ただ葵の体を抱きしめて、その嵐をやり過ごすしかなかった。

外の雨音は全てをかき消して、初めから何もなかったかのように小屋は沈黙した。

二人の呼吸の音を除いて。
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