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全部、俺のものになるまで
第1章 午前0時の社長室

だけど──背後に気配を感じたとき、動きが止まった。
「……君とは、一度、セックスしたな」
低く囁かれ、背中に熱が触れる。
振り返る前に、彼の腕が私の体を包んでいた。
思わず、私は一歩、彼から距離をとった。
「一度きりです。」
言葉を吐き出すように答える。
事実だから、誤解ではない。
そう、あの夜──
彼に抱かれても、昇進も、特別扱いも、何ひとつなかった。
快感だけを与えられ、何も得られなかった。
むしろ期待した自分が、バカだったと思い知らされた。
私は、社長から視線を逸らす。
「……もう、終わったことです。」
口の中が乾く。
けれど彼は、その場から一歩も動かなかった。
「終わったこと、か……」
社長はぽつりとつぶやいた。
その声には、わずかな落胆が滲んでいた。
「てっきり、君から誘われると思ってたよ。」
「……君とは、一度、セックスしたな」
低く囁かれ、背中に熱が触れる。
振り返る前に、彼の腕が私の体を包んでいた。
思わず、私は一歩、彼から距離をとった。
「一度きりです。」
言葉を吐き出すように答える。
事実だから、誤解ではない。
そう、あの夜──
彼に抱かれても、昇進も、特別扱いも、何ひとつなかった。
快感だけを与えられ、何も得られなかった。
むしろ期待した自分が、バカだったと思い知らされた。
私は、社長から視線を逸らす。
「……もう、終わったことです。」
口の中が乾く。
けれど彼は、その場から一歩も動かなかった。
「終わったこと、か……」
社長はぽつりとつぶやいた。
その声には、わずかな落胆が滲んでいた。
「てっきり、君から誘われると思ってたよ。」

