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第23章 お父さんと約束

　真人お兄ちゃんは私の肩に頭を置いてため息を吐いた。


「陽菜……メイドカフェがどんなところなのかわかって言ってんのか？」

「え？　ファミレスみたいなところじゃないの？」

「ちげーよ」

「えっ……」

「確かに飲食店だけど、ファミレスよりもオタク的な……」

「オタク？」

「そうだ。アニメ好きな男たちがメイド服を着た美女たちをエロい目で見て喜ぶ場所なんだ。陽菜がメイド服なんて着たら、エロすぎて変態男が集まってくるに決まってるだろ！」

「えっ……、でも友達困ってるみたいだったし……今更断れないよ……」

「友達って、どこの友達だ？」

「学校の友達なの。この前初めて声かけられて……嬉しかったの」

「……」


　真人お兄ちゃんはもう一度ため息を吐くと、私を後ろから抱きしめた。


「……バイトは明日だけか？」

「うん」

「それなら、許す」

「えっ」

「本当はやってほしくないけど、友達が困ってるんならしょうがねぇよな」

「いいの？　ありがとう、お兄ちゃん！」


　私は真人お兄ちゃんに抱きついた。