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わたしの妄想日誌
第15章 里帰り
 姉がいたずらっぽく笑い、母も口元をほころばせながら先程と同じ返事をしました。

 「昔はなあ…」

 ぽつりと母が言いました。こういうときの母は、たいてい若い頃の話をするのでした。

 「ばあちゃんが出戻っとった頃でね…」

 『ばあちゃん』というのは母の母、わたしたち姉妹にとっての祖母のことです。

 「近所の女の人らがうちの縁側によう集まっとったんよ。あれも『婦人会』みたいなもんやったけど…」

 母はおかしそうに少し笑いました。

 「わたしが十六のときやったかな。縁側でお茶を出しよったら、あん人らがまあ、よう喋ること。誰が誰とどうなったとか、夜中にどこの戸が開いたとか…。あんまり堂々と言うもんやから、ばあちゃんが『子どもの前やよ、ほどほどにし』って言うたんよ」
 「それでやめたの?」

 姉が訊きました。

 「やめるわけないがね。『十六ならもう一人前』とか言うてまた騒ぎだして。ばあちゃんもそれ以上はなんも言わんかったわ。わたし、恥ずかしくて台所に逃げたわ」

 母は自分の頬を両手で包みました。湯呑のぬくもりを頬に伝えているようでしたが、その仕草が、わたしには恥ずかしいという素振りをする十六の娘のように見えました。

 「ばあちゃんも思い当たる節があったんやろうかねぇ」

 そう言って姉は可笑しそうにしています。

 「で、そんときお母ちゃんは『一人前』やったんか? 自分のことを噂されてるようで恥ずかしくなって台所に逃げたんやないの?」
 「なに言うかね、こん子は」

 何度となく聞いたことある掛け合いですが、久しぶりに聞くと家に帰って来た気がします。

 「まあ、そんな話も婦人会でするんやろ?」
 『別に、わざわざえげつない話がしたいわけやないけど、ウソでもホントでもそんな話をしてみんな気晴らししてるんよ」

 そう言って湯呑を口に運びます。

 「たしかにお母ちゃん、なんか楽しそうやもんね」
 「そんなんでもないけど」

 姉に冷やかされながらも、母はやっぱり少し嬉しそうでした。母は女たちとのお喋りを楽しむのか、それとも、途中でどこかに姿を消すのか…。

 「例の整体師の話にもなるんやないの? どっからか来たんやろね」
 「さあねぇ。まあ、居着こうと思うたんやわねぇ」
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