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わたしの妄想日誌
第13章 承認欲求
承認欲求という言葉を知りました。『他者から認められたい、評価されたいという心理的欲求』だそうです。自分にも思い当たる節があります。認められて思うよりも、認められなくて思うことのほうが多いのですけど。
お決まりのようなお話ですけど、お布団に入ってちょっとモーションをかけても、くるりと背を向けられると寂しい気持ちになります。昔は、こちらがいくら疲れていようが、たとえ旗日だろうが、ガツガツと求められたりしてもして、それがうれしかったりもしていたのですけど。
昔がどうであれ、夫も歳を重ね若い頃の夫でないことは重々承知していますし、あまり話をされることはありませんが、仕事の責任も重くなってもきているようです。夫の背中は(もういい歳なんだから弁えろよ…)とでも言っているようですが、他者から認められることで、自分の存在価値や能力を確認したい心理って、いくつになってもあるのだな、って思います。
「承認欲求」の話なんかから始めていますけど、結局、性欲が強いだけなのでは? って思われるかもしれません。実際、そういう面もあるのだと思います。でも、心の中でいくら整理しようと思っても、からだの芯から沸き起こるこの感覚と、満たされない寂しさみたいなものは、どうしても感じてしまうのです。
だから、ふと思ったのは、自分を存在価値や能力を認めてくれる役割を、いつまでも夫に求めていていいのか、ということなのです。もっと言ってしまえば性欲を満たしてくれる役割にしても…。夫にしても『求められることへの不安』を感じているのかもしれませんし…。
美容室で読み耽る婦人雑誌に載っている、夫以外の男性と関係を持っている女性たちの告白手記。そんな手記の次に、何ページにもわたって繰り広げられた女性の生々しい告白を毒消しするかのように、どこかの大学の先生が、人妻が浮気に走る心理を解説していたのでした。わたしが「承認欲求」という言葉を知ったのは、そんな雑誌の一文からでした。
雑誌に載っているのは、たぶん告白手記の体裁をとったフィクションなのでしょう。だとしても…近頃のわたしには妙に生々しく感じられるようになりました。雑誌で”告白”している女性は架空の存在でも、同じようなことを夢想しているわたしは現にここにいる…。
美容室のママさんに声を掛けられました。
「面白い話でも載っていたかしら?」
お決まりのようなお話ですけど、お布団に入ってちょっとモーションをかけても、くるりと背を向けられると寂しい気持ちになります。昔は、こちらがいくら疲れていようが、たとえ旗日だろうが、ガツガツと求められたりしてもして、それがうれしかったりもしていたのですけど。
昔がどうであれ、夫も歳を重ね若い頃の夫でないことは重々承知していますし、あまり話をされることはありませんが、仕事の責任も重くなってもきているようです。夫の背中は(もういい歳なんだから弁えろよ…)とでも言っているようですが、他者から認められることで、自分の存在価値や能力を確認したい心理って、いくつになってもあるのだな、って思います。
「承認欲求」の話なんかから始めていますけど、結局、性欲が強いだけなのでは? って思われるかもしれません。実際、そういう面もあるのだと思います。でも、心の中でいくら整理しようと思っても、からだの芯から沸き起こるこの感覚と、満たされない寂しさみたいなものは、どうしても感じてしまうのです。
だから、ふと思ったのは、自分を存在価値や能力を認めてくれる役割を、いつまでも夫に求めていていいのか、ということなのです。もっと言ってしまえば性欲を満たしてくれる役割にしても…。夫にしても『求められることへの不安』を感じているのかもしれませんし…。
美容室で読み耽る婦人雑誌に載っている、夫以外の男性と関係を持っている女性たちの告白手記。そんな手記の次に、何ページにもわたって繰り広げられた女性の生々しい告白を毒消しするかのように、どこかの大学の先生が、人妻が浮気に走る心理を解説していたのでした。わたしが「承認欲求」という言葉を知ったのは、そんな雑誌の一文からでした。
雑誌に載っているのは、たぶん告白手記の体裁をとったフィクションなのでしょう。だとしても…近頃のわたしには妙に生々しく感じられるようになりました。雑誌で”告白”している女性は架空の存在でも、同じようなことを夢想しているわたしは現にここにいる…。
美容室のママさんに声を掛けられました。
「面白い話でも載っていたかしら?」

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