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大きなクリの木の下で
第16章 エピローグ

「お腹、かなり大きくなってきたわね」
そう言いながら、美代子は廊下に首を出して周りをキョロキョロと確認した。
「旦那さまは?そのお腹のパパも来ているんでしょ?」
「ええ、でも、美代子は…まだ、会うことは出来ないと思って…」
「やだ、気にしないでよ、竹本さんなら話しは別よ
私も彼に会いたいわ」
「本当に?大丈夫?」
「大丈夫よ、会いたいわ」
それならばと廊下の死角に向かって「あなた~」と竹本を呼んでみた。
「よぉ、元気そうだね」
彼が顔を出すと取り乱すかなとビクビクしたが、
美代子は竹本の顔を見るなり一目散に駆け出して彼に抱きついた。
「美代子?大丈夫なのかい?
僕は男だよ?」
「やぁねえ、あなたは特別よ
だって、互いに情を交わした仲じゃないの」
やんわりと「情を交わした」と表現したけれど、
それはいわゆるセックスをしたと言っているにも等しかった。
「いい?絶対に静香を幸せにしなさいよ!
でないと、私が彼女をあなたから奪っちゃうからね」
今にもキスをしそうなほど顔を近づけて嬉しそうに話すものだから、静香としてはハラハラしてしまう。
「やぁねえ、旦那さまを寝取ったりしないわよ
どちらかと言うとあなたを寝取るかも知れないけど」
クスクス笑いながら「散らかっているけれど上がっていってよ」と美代子は二人を部屋に招き入れた。

