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大きなクリの木の下で
第14章 竹本伸和の正体

「えっと…その…なんだ
若い二人の邪魔しちゃ不味いから儂はとっとと退散するよ」

慌てふためいて社主の大河原は部屋から出てゆく。
去り際に「ああ、そうそう、退院したら二人して一度ゆっくりうちに遊びにいらっしゃい」そう早口で告げて足早に去っていった。

「どういう事なの?
竹本さん、あなた本当に社主のご子息なの?」

社主が去ったあと、緊張から解放されて次々と心の中に浮かんでくる疑問を竹本にぶつけた。

「確かに俺とあの人とは血縁関係にある。
俺はね妾の子なんだ…」

「妾の子…」

「あの人…つまり大河原社主と奥さんの間に子供がいないんだ。
正確には奥さんは子供の産めない体なんだよ
何でも若い頃に子宮を患い全摘したそうだ…
でも、奥さんは大川原の血筋を絶やしちゃいけないと妾を作って子供を作ることを提案したのだそうだ。
そして、当時、銀座のクラブで働いていたホステスだった俺の母ちゃんを妾にして妊娠させた…
そうして二人の間に産まれたのが俺さ」

きっと竹本自身は己の出生の事について話しづらいのだろう。
静香と目を合わさずに病室の白い壁を見つめながらおとぎ話でも話すように淡々と白状した。

「俺を産んだ母ちゃんも、あまり体が丈夫でなくて
俺が小学生の頃に天国に逝っちまった」

幼き日の母との思い出に胸が詰まったのか
竹本の頬に一筋の涙がこぼれた。

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