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大きなクリの木の下で
第14章 竹本伸和の正体

はい、どうぞと松葉杖を渡されたものの
こんなものを使うのは初めてなので四苦八苦してしまう。

「じゃあ、頑張ってね」

村中理恵はそのように一声かけて
次の方のリハビリに行かなきゃとサッサと行ってしまう。

「おい!こんなものを使うのは初めてなんだから、せめて見守りぐらいしろよ!」

怒鳴ってみたけれど、我関せずと振り返ろうともしてくれない。
自分の相手もしてくれない男の事なんて、彼女にしてみればこれっぽっちも興味がないのだろう。

倒れそうになりながらも、なんとか談話室まで半分の距離を歩いてみたが、さすがにこれが限界だった。
前にも進めず、後にも引けず、途方に暮れていると
「あら、もう松葉杖を使っての歩行訓練なの?」と例の高慢ちきな大沢というナースが通りかかって声を掛けてくれた。

「見守り補助もなしでここまで来たの?
頑張ることは関心だけど無茶しちゃダメよ」

待ってて、今すぐ車椅子を持ってきてあげるからと
大沢は軽快な足取りでナースステーションに小走りで去っていった。
いつもは高慢ちきで彼女とは決して打ち解けることはないだろうと思っていたが、車椅子を持ってきてくれた時にはまさしく白衣の天使だと思った。

「あなたのリハビリ担当は村中さんだったわよね
相変わらずのスパルタね」

ほら、談話室まで押していってあげるわ

高慢ちきで冷たい口調の彼女だが、根は患者思いの心優しい女性なんだなと考えを改めることにした。
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