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大きなクリの木の下で
第13章 刑事 真垣幸太郎

「もしかして…これって…」

その先は告げなくてもよかった。
なぜなら真垣が今にも泣き出しそうな顔をして顔を真っ赤にしているのだから。

「ごめんなさい、あなたが独身男性だと言うことを忘れていたわ」

「そんなモノを使って処理しているなんて変態だと思われたでしょうね…」

女性にオナニーの道具を見つけられたのだから
これ以上の羞恥はないのだろう。
とても警官とは思えないほどに蚊のなくような小さな声で呟いた。

「ううん、恥ずかしい事じゃないわ
誰しもすることなんだし…」

「でも、そんな道具を使っていることがバレて情けないです」

「もしかして…彼女とかいないの?」

「恥ずかしながら…お付き合いしている彼女はいません」

「童貞じゃないんでしょ?だったら風俗にでも…」

「童貞なら、そんな道具は使いませんよ
女を知らなきゃ手で擦るだけで満足しますから
風俗には行けませんよ、警官として取り締まり先に厄介になれませんから」

なまじ女性経験があるだけに
ひたすら自分で慰めるのは辛いだろうと可哀想になった。

「お相手してあげましょうか?」

言ってしまってから『何をバカな事を言っちゃったのかしら』と
彼の自尊心を傷つける発言だと「今の発言は忘れて…」と言いかけたのだが「お願いします!」と真垣は静香を抱き締めてきた。
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