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大きなクリの木の下で
第12章 二度目の外泊許可

話の内容からして
どうやら由里子は竹本以外にも病院に入院している患者に外泊許可を取らせて、この家に招いて男に種付けをしてもらっているようだった。
そして、どうやら青木亮二という男とも深い仲になって
子種をいただいていたようだ。
「あんたとしたら、どっちの男がいいの?」
「体の相性とセックスの満足度からすれば
竹本さんがいいわ」
「じゃあ…お腹の子は竹本さんとの間に出来た子供ということにして、結婚しちゃいなさいな」
「騙すみたいで申し訳ないわ」
騙すみたいだって?
それは、完全に騙すって事だろうが!
どうして僕が見ず知らずの男との間に出来た子の父親になって養っていかなければならないんだ!
「心苦しいのなら、青木さんに妊娠したことを報告して婿に来てもらう?」
「そうねえ…でも、あの人、早漏だし
私、満足できるかしら…」
「それならやっぱり竹本さんになさい
ね、女はね、夜の営みで満足させてくれる男が一番よ」
そこまで盗み聞きして、竹本は怒りを顕にバンッとおもいっきり寝室のドアを開けた。
「悪いけど、僕は由里子さんと夫婦(めおと)になるつもりはありません!
今までのご恩は忘れません、いずれ、ちゃんとお礼をさせていただきますので!」
もう、この家には居られないと
帰り支度をすると深夜の街に飛び出した。
呆気にとられる母親の登喜子と由里子だったが、
ハッと由里子が看護師としての責務を思いだし、竹本の後を追いかけた。

