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大きなクリの木の下で
第12章 二度目の外泊許可

約束どおり、由里子は二回目の外泊許可を取ってくれた。

彼女の実家にご厄介になるのはこれが二度目だったけれど、
なんだか生まれ育った家に帰ってきたような、そんな安心感があった。

実際、由里子の母親も「いらっしゃい」ではなく、
竹本の顔を見や否や「お帰りなさい」と出迎えてくれた。
脳梗塞の後遺症で左半身が麻痺の彼女の父親も呂律の回らない言葉で何を言っているのか要領を得なかったけれど、笑顔だったから事から快く竹本を出迎えてくれたのだと理解出来た。

「竹本さんが来てくれると
料理を美味しそうに食べてくれるから作り甲斐があるわ」と
初訪問の時と同じようにテーブルに所狭しといろんな料理が並んで食べてもらえるのを待ちわびていた。

「まだ夕飯には早いじゃない」

由里子は食卓に腰を落ち着けるのを拒んだ。

「わかっているわよ
まずは、お風呂なんでしょ?」

湯船に入れるかどうかわからないけど、とりあえず湯船にお湯を溜めておいたわ

そう言いながら、まず入浴するだろうなと思っていたのか、
タオルとバスタオルがすでに用意されていた。

病院でもシャワーならオッケーだとシャワールームを使えることになっていたが、やはり気がねなくのんびり出きる家庭のお風呂はありがたかった。
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