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大きなクリの木の下で
第11章 薬物依存症の美代子

女性にブローチを付けることに慣れていないのかやけに手間取る。

「あの…私、自分で付けましょうか?」

「いや、警察の備品ですから、むやみに民間人に触らせるわけには…」

何がなんでも彼は自分の手でブローチを付けようと躍起になっていた。
ピンを肌に刺さないようにするためにはワンピースの胸元の布地を浮かす必要があるので、役得だとばかりにわざとワンピースの襟元に手を差し込んで、何気なく乳房に触れてくる。

「何をモタモタしてんだよ!」

年輩の刑事に指示されて、若い刑事の手の動きはさらに大胆になり、指先、手の甲が乳房の膨らみにタッチさせると、その柔らかさに興奮して若い刑事は顔を真っ赤にしながら興奮して顔をさらに乳房の膨らみに近づける。

まるで今から乳房に愛撫しようかというほどの至近距離。
彼の目は完璧に静香のおっぱいの谷間に釘付けになっていた。

「いつまでやってんだよ!」

年輩の刑事に一喝されて、渋々とブローチをワンピースに付けてしまう。それもけっこう手慣れた様子で。

『何よ、簡単に付けれるんじゃない!』

そう思うと、乳房にタッチしたくてわざとモタモタしているようにしていたんだと呆れてしまった。

「さて、お嬢さん、このイヤホンを耳に付けてもらえますか
こちらからの指示どおりに大場さんに問いかけてくださいな」

全てを装着し終えると、さあ、頑張ってくださいなと
美代子のテーブルに向かって背中を押された。
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