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大きなクリの木の下で
第10章 リハビリテーション

男を狂わせる美貌とプロポーションの持ち主だと自覚はないのだろうか?
いや、そんな恥じらいなど気にもとめないほど彼女はプロフェッショナルなのだと気づかされる。

「ほら、もっとしっかりと抱きついてください。
いいですか?一二の三で立ち上がりますからね」

はい、一二の三!

大の大人を抱きかかえるのだから、かなりの重労働だろう。
移譲させるのにコツがあるとはいえ、ナースにしても理学療法士にしても大したものだと感心してしまう。

それでも、自分の体よりはるかに大きい竹本を移譲させるのは一苦労だったようで、彼をベッドに横たえた後は「ハアハア…」と荒い呼吸を繰り返した。

「すいません、重かったでしょう?」

「全然!平気ですから…でも、ちょっと暑くなっちゃいました。
ジャージのジャケット脱いでも構いませんか?」

「ええ、全然かまいませんとも」

竹本が促すよりも先に
彼女はジャージのファスナーを降ろしてジャケットを脱ぎ捨てた。

インナーは着圧のあるコンプレッションインナーと呼ばれているもので、体型にフィットしていて、これまた巨乳をあからさまに強調していた。

『おおっと!』

あからさまにバストラインを見つめては失礼にあたると、
とっさに顔を背けて視線を外した。

「あら?どうされました?」

純真無垢というか、まったくの下心なしで彼女は竹本の顔を覗き込む、その近さたるや、彼が頭を前に少し振れば唇が触れあうほどだった。
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