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大きなクリの木の下で
第10章 リハビリテーション

そうこうするうちに、面会時間がやって来ると
先ほどのナースが病室にやって来て「あの…警察の方が見えられていますけれど…どうします?カンファレンス室を使いますか?」と小声で告げた。
病室は一人部屋ではなく、6人の大部屋なので
他の入院患者さんに話を聞かれては不味かろうとナースが気を使ってくれた。
「警察?」
やっぱり、私が意識を失ったのを事件性があるとでも思っているのかしら?
だとしたら部屋を捜索されてディルドを見つけられたかも…
そう思うと恥ずかしくて穴があったら入りたい気持ちで憂鬱になった。
「お願いします!カンファレンス室を貸してください!」
迷わず静香は別室で警察の方と面会することにした。
自分で歩けますと言ったが、念のためだからと車椅子に乗せられて別室に案内されると、間髪入れずにドアがノックされて「失礼します…○○警察です」と二人の刑事が部屋にやって来た。
「あら、あなたたち…」
二人の刑事には面識があった。
竹本が大捕物をした時に、美代子の事でいろいろと話を聞いてきた刑事だからだ。
「あの…私、自分で気を失ってしまったので事件性はないと思うんですけど…」
刑事が口を開くよりも先に静香は事件性がないのでお引き取りくださいと申し出ようとした。
「ええ、救急隊から聞いておりますよ
今回は敗血症の疑いもあるとかで散々でしたね」
今回、お邪魔したのは、その件ではないんですよと言った。

