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大きなクリの木の下で
第8章 外泊許可

陽が西に傾いて水平線が赤く染まりかけても静香は姿を現さなかった。

彼女と一緒に過ごせない時間がこんなにも虚しいものかと痛感させられた。
退屈で仕方ないので、居眠りばかりを繰り返したものだから、消灯時間になっても一向に眠くならない。
いや、それどころか、禁欲を強いたげられているので悶々として眠るどころではなかった。

ようやく動かせるようになった左手が自然と股間へと向かう。

久々に握る自分の分身…
久しぶりゆえか、なんだか凄く大きく感じた。
いや、握りなれた右手ならばそうは思わないのだろうが、
普段は滅多に使わない方の左手だからこそ、まるで自分の体の一部と思えないほど新鮮だった。

こうなりゃ、自分で久しぶりシコシコするか…

すでに股間のモノは準備万端だった。
触れる度にビクビクと脈打ち、もっと擦ってくれとおねだりしてくる。
しかしながら、利き腕ではない左手なのとギプスが外れたとはいえ、上下に手首を動かすと鈍痛が襲ってくるので気持ち良くなるどころか、集中力も途絶えてペニスはあっという間に萎んでしまった。

かといって、ムラムラが収まる訳でもなく、
無性に射精をして快感に浸りたい気持ちはあるのだから困ったものだ。

『こうなりゃ、タイプでもない例のナースに抜いてもらうとするか…』

タイプでもない女だけれど、
自分で抜けないからには手助けをしてもらうしかない。
乗り気ではないけれど、このムラムラ感をなんとかしたくて、竹本は仕方なくナースボタンを押した。
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