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大きなクリの木の下で
第6章 救急病院にて

「それじゃあ、お大事にね」
ナースはそう言って部屋から出ていこうとする。
「ちょっと待ってくださいよ
このまま?入院着をちゃんと着せてくださいよ」
「アソコは風通しをよくした方が蒸れなくていいのよ」
安心なさい、それなりに風通しを入れたら、後でちゃんとしてあげるから
そんなもっともらしい口実をいい放つとナースはさっさと出ていった。
『おいおい、風邪でも引いたらどうするつもりだい』
そんなことを思いながらも、全裸で眠ることに慣れている竹本は、そのまま眠ってしまった。
数時間は眠りに落ちていただろうか、
突然の寒気に竹本は目を覚ました。
『言わんこっちゃない…なにが頃合いを見計らって入院着をちゃんとしに来るだ』
空調で快適にしてあるとは言え、
それはちゃんと入院着を着用して掛け布団を使用しているからだ。やはり体の前面をさらけだしていると冷えてくる。
寒気と共に、猛烈な尿意に襲われ始めた。
竹本は恥を忍んで手元のナースコールを押した。
- はい、どうされましたか? -
別の看護師が対応に出てくれることを期待したが、
天井のスピーカーから流れてきたのは例の年配ナースの声だった。

