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大きなクリの木の下で
第6章 救急病院にて

「首、こちらに向けることは出来ますか?
ああ、無理はしなくてもいいですよ、動かせる範囲で構いませんので…」

辛うじて視界の片隅にモニター画面を見ることが出来た。

「ええっと…骨折は全部で7箇所です。
大腿骨と上腕だけは手術してボルトで固定しました。
それにしても打撲箇所は見事に急所を外しておられますねえ
何か格闘技でもされているんですか?」

「ええまあ…ボクシングを少々…」

「だと思いましたよ
いくら殴り付けてきた相手が素人とはいえ、かなり滅多打ちされてますから、そのうちの一発や二発は急所に命中して内臓破裂してもよさそうなダメージですからね」

まあ、しばらくは入院してもらいますよと言いながら背後の男二人に手短にお願いしますよとポジションを入れ替わった。

「どうも、中央署の田崎と言います」

「同じく芹沢と言います」

そのように名乗って、シンクロした動きで、これ見よがしにバッヂを竹本の目の前にかざした。

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