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わたしのお散歩日記
第11章 八百屋さん
八百屋さんに並ぶ色とりどりの野菜たち。…なんて、無意識に『野菜たち』などと擬人化してしまっているわたし。色もとりどりだけど、形もいろいろ。店先でわたしが手に取るのを待っているみたい。見て、触って、選んで、比べて、そして持ち帰る…。
紫色が好きなわたしの目を最初に捉えるのは茄子。明るい紫から黒みがかった紫までいろいろ。そして形もいろいろ。すらっとした細身もあればぼってりと太いものまで。曲がっているものもある。明るい紫なのに硬かったり、黒味がかかった紫なのに柔らかかったり。色と硬さの関係は区々みたい。外見だけではわからない。
ビニール袋に詰めているスーパーマーケットと違って、八百屋さんでは籠にのせられているから、そっと手に取ってじっくり吟味もできる。硬いものから柔らかいものまで。重たいようで軽いようで、やっぱり重たい…かな。でも握っちゃダメ、つまむだけ。お店では…。
茄子はお肌がつるつるして光沢があるところが好き。陶器のようでもある。変に毛が生えてたりしなくて。ためらうことなく触れることができる。すぐにお料理できちゃうし。どれも美味しそう…。
茄子は煮るもよし、焼くもよし、炒めるもよし。漬物にしてもいい。すべてはわたし次第。茄子はナスなのになされるがまま。長いのが2本の籠もあれば短いのが4本の籠もある。一山の値段はどれも同じ。美味しさに変わりはないということなのね。
…なんて、茄子ばかり見詰めているわけにもいかない。きゅうりもにんじんもある。それにだいこんだって。今日はどのお野菜にしようかな…。最近は苦瓜が気になっているわたし。ゴーヤーとも言うみたい。だってあの手ざわり、あの形、ほとんど反則でしょ…。あの苦味はおとなの味かも。でも、今日はお店にないみたい。
さんざん迷ったけど…というか、野菜たちとの会話を楽しんでしまった。わたしは茄子を一山選んでおばさんに渡す。なぜだか茄子だけ買うのはちょっと…と思ってしまった今日のわたし。なぜだか…なんて気取ったけど、とにかく「マーボー茄子の素」も一緒に買った。茄子たちがマーボー茄子になってわたしのお口に入ることはこれで決まり。
…ひとりきりの夕食を終えてわたしは手を合わせる。
(美味しかったわ、茄子…。たっぷり堪能させてもらったわ…)
紫色が好きなわたしの目を最初に捉えるのは茄子。明るい紫から黒みがかった紫までいろいろ。そして形もいろいろ。すらっとした細身もあればぼってりと太いものまで。曲がっているものもある。明るい紫なのに硬かったり、黒味がかかった紫なのに柔らかかったり。色と硬さの関係は区々みたい。外見だけではわからない。
ビニール袋に詰めているスーパーマーケットと違って、八百屋さんでは籠にのせられているから、そっと手に取ってじっくり吟味もできる。硬いものから柔らかいものまで。重たいようで軽いようで、やっぱり重たい…かな。でも握っちゃダメ、つまむだけ。お店では…。
茄子はお肌がつるつるして光沢があるところが好き。陶器のようでもある。変に毛が生えてたりしなくて。ためらうことなく触れることができる。すぐにお料理できちゃうし。どれも美味しそう…。
茄子は煮るもよし、焼くもよし、炒めるもよし。漬物にしてもいい。すべてはわたし次第。茄子はナスなのになされるがまま。長いのが2本の籠もあれば短いのが4本の籠もある。一山の値段はどれも同じ。美味しさに変わりはないということなのね。
…なんて、茄子ばかり見詰めているわけにもいかない。きゅうりもにんじんもある。それにだいこんだって。今日はどのお野菜にしようかな…。最近は苦瓜が気になっているわたし。ゴーヤーとも言うみたい。だってあの手ざわり、あの形、ほとんど反則でしょ…。あの苦味はおとなの味かも。でも、今日はお店にないみたい。
さんざん迷ったけど…というか、野菜たちとの会話を楽しんでしまった。わたしは茄子を一山選んでおばさんに渡す。なぜだか茄子だけ買うのはちょっと…と思ってしまった今日のわたし。なぜだか…なんて気取ったけど、とにかく「マーボー茄子の素」も一緒に買った。茄子たちがマーボー茄子になってわたしのお口に入ることはこれで決まり。
…ひとりきりの夕食を終えてわたしは手を合わせる。
(美味しかったわ、茄子…。たっぷり堪能させてもらったわ…)

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