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わたしの昼下がり
第3章 訪ねてきた男
 それは、わたしが心の中でやましいことを妄想していたことを咄嗟に取り繕うとしたのかもしれません。そして、△井はそんなわたしの胸の内をしっかりと見透かしていたのかもしれません。

 『奥さん、ご無沙汰なんじゃありませんか?』と囁かれても、特に否定もしませんでした。いよいよのしかかられても、当然のなりゆきであるかのように抵抗することもなく床に押し倒されていました。そして『奥さん、ヤリたかったんですね?』と囁かれながら下着を下ろされ、△井の男根を受け容れたのでした。△井は、わたしが心ひそかに求めていたものを与えてくれました。

 『膣内《なか》で射精《だ》させてもらえるとは思ってませんでしたよ。一応、お伺いしましたよね? 本当に射精《だ》していいか、って』

 確かにそうでした。ただ、わたしは膣内で射精されることまで承諾したわけではありませんでした。夫では届かないところまで埋め尽くされたことに戸惑い、そして悦んでいるうちにそのまま…。言い訳に過ぎませんが…。

 『一目見て奥さんとは『オトナのお付き合い』ができると思ったんですよ。思ったとおりでした』

 △井が美味しそうにたばこを吸って煙をふうっ…と吐き出しています。どこまで本当の気持ちかわかりませんし、褒められているのか皮肉られているのかもわかりません。モーションをかけたつもりはありませんでしたが、『一目見た』ときのわたしはさも物欲しそうな貌をしていたのでしょうか。そうかもしれません。いつか男をくわえ込みたいって思っていたのですから。掲示板のポスターで見たポルノ映画の女優さんの貌を思い出していました。ただ、△井もセールスマンとして養った洞察力があったのだろうと思います。わたしの願望に過ぎませんけど…。

 とにかく嫌がるでも騒ぐでもなく抱かれたのですから『都合のいい女』と見られたのでしょう。それでも構わないと思いました。女としての悦びを感じたのは本当に久しぶりでしたので…。

 △井が今度来るというときに、奥さま連中に見とがめられないことを願いました。みんな悪い人じゃないけど、『オトナの付き合い』を黙って見過ごしてくれるようには思えませんから…。

 『ご主人『○○○〇〇〇』をお吸いなんですね。ボクも今度からこれにしますよ』
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