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わたしの昼下がり
第4章 募る想い
 △井が次に来ると言ったのは「2週間後」でした。わたしは悶々として日々を過ごしました。お腹の下の方がずっと疼くんです。疼いたままなんです。お腹の中に何かを仕込まれたんじゃないか…って思うくらいです。

 前にも言いましたが、夫とのセックスでは満たされたことがない膣の奥までいっぱいに満たされて、身体が戸惑っているのでしょう。久しぶりに男のそれを迎え入れたのですから。

 ゴミを出す日の井戸端会議も上の空のような感じ。早く部屋に戻りたいけど変に勘繰られるのもいやなので仕方なく付き合っています。まだ、セールスマンの話題が上ったら聞き耳を立てていたでしょうけど、奥さま連中の関心は他のことに移ってしまったようで、いつものようにどうでもいい話が続いています。

 「2日後」でも、せめて「1週間後」でもなく「2週間後」。1年後ではなかっただけマシなのでしょうか。もとより彦星と織姫などではありません。男をくわえ込みたいと願っていた三十路女が思っていたような男に出逢ったのです。逢えるものなら毎日でも逢いたい…。毎日でもシたい…。

 体の相性はいいと思いました。少なくともわたしにとっては。夫よりも、そして、結婚前に交わっていた職場の上司よりも。くずぶるばかりで火が付くことがなかった薪にめらめらと炎があがり炭になるまで燃やされつくしたような気分でした。△井にしても相性は悪くなかったのでは。初見のわたしに三度は射精していったのですから。だからこそ再訪を約束していったのでしょう。それにしてもこんな気持ちにさせておいて2週間後だなんて…辛い。

 ようやくわたしは思い至りました。△井にはきっとあちこちにわたしのような女がいるのでしょう。あちこちの団地を訪ねては、まぐわう女を囲っているのかもしれない…。その顔触れに加えられたのなら…光栄とまでは言わないけど、悪くはないと思いました。順番が回ってくるのは2週間に一度というのは耐え難いけど。でも、2週間に一度といっても夫との頻度よりはよほど多いのですからほどほどの間合いということなのでしょうか。
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