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臨時ヌードモデル~梨果14歳の一年~
第34章 ひとつ屋根の下
「さて、みんな出かけたし私も行くとしますか。」

梨果と友也の登校を見送ったあと、戸締まりをして梨果の父親である絵画教室の講師に会いに梨果の実家へ赴いた。

アトリエに通されコーヒーを出してくれた。未だに奥様は不在のようで講師は単身ここで暮らしてるとのことだ。

「この度は梨果がお世話になります……あの日梨果が貴方を呼んだ意味がわかりました。貴方がいなければ私も田村さんも……もしかしたら他の面々も集団で梨果を犯していたことでしょう。」

「…………」

「私はもう梨果に親とは思われないでしょう。せめて金銭面だけでも努めさせてもらいます。梨果をよろしく頼みます。」

「大学の講師のお仕事は大丈夫でしたか?」

「お陰様でおおごとにならずに済みました。」

「それは良かったですね。」

「ただ絵画教室はあの事件で受講生がたくさん辞めてしまいました。会場も出入り禁止になったのでこの自宅アトリエでこぢんまり続けます。ぜひ貴方も懲りずまたいらしてください。」

「ええ、ぜひ。それで奥様の体調は?」

「拒絶されましてね。未だ面会させてもらえないんですよ。彼女は梨果にも不信感を抱いてしまって……父親を誘惑したとか妄想を言っているみたいです。この誤解だけは説かないと……」

「……そうなんですか。」

「……梨果をよろしくお願いします。」

「わかりました……そうそう、ピアノの件。後日業者がこちらに参りますのでその時はよろしくお願いします。」

「……かしこまりました。」

梨果の父親は寂しそうな目をしていた。


講師宅の玄関を出るとそこに田村氏がおりゾッとした。
刃物でも持っていたらひとたまりもないと思ったからだ。

「貴様よくも梨果を……お前を未成年者淫行で告発してやる!」

「証拠はあるんですか?」

「見たんだ!お前と梨果が歩いている所を。」

「歩いてるだけでした?他に何かしてましたか?」

「くっ……いや……」

「歩いてると淫行なんですか?すみません私、毎日淫行してますね。」

「馬鹿にしやがって!梨果を手込めにしているのはわかってるんだ。」

「梨果の意志です。それに今あなたの身が自由なのは誰のおかげなのかをご理解いただきたい。」

睨みつけて言い放った。

「く……」

「では失礼します。」
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