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わたしの放課後
第2章 おじさんへの想い
 渋々わたしは両親と法事に行った。その後も、そんなことが何度かあって、いちいちわたしは家を追い出されていたが、そのうち姉も面倒になったのか、家にわたしが居てもカレシを呼ぶようになり自室でカレシとセックスするようになった。

 『お母さんには内緒にしてなさいよ』

 やましいことをしているのは自分の方なのに姉はいつも上からものを言った。

 『お母さんだってそういうことをしたからこそアンタもわたしもこの世に存在しているんだから』
 『そういうことをしたからって言ったって、お父さんとでしょ。それに、お姉ちゃん、そういうことして本当に赤ちゃんできちゃったらどうするの?』
 『つべこべ言わなくていいの。妹のくせに』

 結局、そのうち母にもバレて、めちゃくちゃ怒られていたけど。ただ、高校生なのに妊娠したらどうするの?、のような姉の不行跡を咎めるというよりは、恵子に見られたらどうするの?、のような妹への悪影響をかえりみない無神経さを怒っていたようで、解放されて自室に戻る涙目の姉からぎろりと睨まれたのはいい迷惑だった…。

 「お姉さん、怒られちゃったんだね。恵子ちゃんも災難だったね」
 「そうなんです。自分が悪いのに」
 「お母さんはサバサバした性格なの?」
 「そんな感じでもないと思うけど…」
 「お母さんは恵子ちゃんがいつ帰ってくるかが気になったんだね」
 「そうなんです。だから、きっとそういうことだろう…って思っちゃいました」

 家から出て行ったのは普通の真面目そうないかにも大学生です…っていう感じの人だった。遊んでいるような感じの人ではなかったから、誘ったのは母の方なのだろうか…などと妄想してしまった。

 わたしはモヤモヤした気持ちで自分の部屋に入った。ベッドの上で青空市で買った…というか、ほとんどおじさんにもらったような古本を眺める。でも、ただ眺めているだけ…。目で文字を追っても頭の中に入って来ない…。母の声がした。

 『じゃあ、塾に行ってくるわね』

 母は今日、塾で授業をする日だった。仕事に行く割りには声が明るすぎるように思えた。家にひとりになってわたしは部屋を出てリビングを見回した。母の寝室も覗いてみた。特に変わったところはなかった。ふと、台所のゴミ箱を覗いた。丸めたティッシュペーパーがいっぱい捨てられていた…。

 『やだ…』
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