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わたしの放課後
第14章 母との会話
 わたしは言葉を喪った。母が彼に敢えて自分のもとから離れるように言ったとは思えない。彼に戻ってきて欲しいという未練があるに決まっている。

 「だから何曜日は彼が来るとか、もう気にしないでくれていいのよ」
 「うん…」
 「そのかわり…」
 「うん。なに?」
 「お家に帰ってきたとき知らない男の人がいても気にしないでね」

 父に秘密にしなければならない出来事はこれからも続くようだ。わたしはむしろそのほうがいいと思った。母も父のことを嫌いなわけではない。ただ、「妻」と「オンナ」は違うのだろうよいうこと。その決め手は、耳年増としての知識からは、からだの相性というものであろうということ。ただ、それだけ。

 「気にしないけど…心当たりはあるの?」
 「ないわよ、そんなの」

 母が笑った。わたしも笑った。「知らない男の人」が、これから何人いたとしても、それは、母がオンナとして生きている証のようにも思えたから。

 この話をおじさんに聞いてもらいたいとちょっと思った。でも、そうしたら、おじさんは、男の人はおじさんしか知らないわたしを「放流」させようとするんじゃないか、って思った。本当は、わたしのことをお母さんに聞いてもらわなければいけないのかもしれないけど、とてもそういう気持ちにはなれない。自分でも異常な関係だとは思っているから。おじさんにしてもそう思ってもいるだろう。(いつかそういうときが来ると思っていたんだよ…)なんて言いながら、わたしを『放流』させようとするだろう。 
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