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わたしの放課後
第6章 天使と悪魔
 「…これからもお邪魔してもいい…ですよね?」
 「もちろん。恵子ちゃんが来たいと思ったときにおいで。待ってるよ。若いうちは生きたいように生きるのが大事だから」
 「よかった…」
 「『生きたいように生きる』なんて恵子ちゃんに分別があるからこそ安心して言えることだけどね」
 「おじさんも分別がある人…ですよね…」
 「いや…分別があったら恵子ちゃんとこういう関係になれただろうか…」
 「えっ…そうなんですか? じゃあ、分別がない人でよかったです」

 おじさんが笑ってわたしの髪を撫でる。

 「分別を持って生きてきたつもりだけど、いい歳をして恵子ちゃんとこういう関係になって…って自分でも思うよね。分別を持つと言っても、結局自分に都合のいい分別だね…」
 「わたしと会ったときセックスしたかったですか?」
 「そう言われると困るね…。ある日突然、天使が目の前に現れてしまった…ということにしておいてくれないかな…」
 「『天使』…ですか?」

 わたしも笑っておじさんの顔を撫でた。

 「わたしの中では、今日は天使と悪魔がせめぎ合ってたんですよ。悪魔が『若い女の子とセックスするなんておじさんは分別があるのかしら?』って」
 「悪魔の恵子ちゃんか…いつかおじさんに天罰を与えるかもしれないね」
 「そんなことないです。変なこと言ってごめんなさい。天使の恵子も悪魔の恵子もみんなおじさんが好きです」
 「ありがとう。恵子ちゃんには若いうちから生きたいように生きてほしい」
 「でも、それって理性を失ってもいけないのですよね」
 「そう。生きたいように生きるには、生きたいように生きてるだけではダメなんだよね」
 「天使が10回勝って悪魔もたまに勝つみたいな?」
 「恵子ちゃんはアクメの快感を知っているし、そんな快感も理性でコントロールできる。清楚で知的で賢明な女性がアクメの悦びも知っているというのはたまらなく魅力的だよ。ああ、くどくなってしまった。一言でいえば、『おじさんは恵子ちゃんが好き』ってことだよ」

 わかったような、わからないような…。でもなんとなくわかった気がした。

 「うれしいです…。おじさんは天使の恵子も悪魔の恵子もちゃんと受け止めてくれるって思えるから。また…『アクメ』させてください」
 「いい子だ…」

 おじさんは優しくキスしてくれた。
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